しばらくコースに出られないと思ったらゴルフの集中力は高まるのだ!
2018年8月12日(日)
今日も楽しい1日だった。父と夫と3人で久々のゴルフコースへ♪
朝8時ちょっと前に家を出て、練習をして8時48分スタートで名寄白樺カントリークラブでのラウンド。久しぶりだったけれども、今日はとても調子が良かった。まずドライバーの調子が良い。おかしな当たりのものはほとんどなかった。一個だけハザードに入ってオレンジのボールをなくしたけれども、その他は割と大丈夫だった。フェアウェイウッドも気持ちよく当たった。アイアンも昨日の練習の成果を発揮して、ボールをセットする位置を遠くしすぎなければちゃんと当たった。今日のクラブセットは実家に置いてある置きクラブセットなのだが、なぜかピッチングと9番が入ってなくて(ピッチングがないなんて!!たぶん横浜の自宅にあるゴルフバッグに2本入ってるな…)。でもその割にはすごく良かったと思う。何より素晴らしかったのがパターだ。ロングパットも二つ三つ決まった。自画自賛すいません。
今日の結果からわかったことは、よく言われているように、ゴルフはやっぱり集中力がものを言うスポーツだということだ。次にこうしてゴルフでコースを回れるのはいつだろうか…と思うとね、否が応でも集中力は高まるものだ。そんなふうに思いながら回るのは少し寂しいことだけれども、人工肛門、そしてそれを閉鎖した後は頻便傾向になるとすると…コースを回るのに2時間かかる中でトイレに行けないと言う事、イコール、まずゴルフは無理と言うことだ。だから!とにかく今日は集中して頑張らなければと思った。
キャディーさんもおばあちゃんだったけれどもとてもいい人で。何より大笑いしたのは私のスマホで3人の写真を撮ってもらうようお願いしたら、「こんなのちょしたことないから」と言って思いっきり指をカメラの前に出して撮影してくれた。「ちょす」なんて久しぶりに聞いたよ!(注:ちょす=北海道弁で触る、いじる の意味)
前の組に遅れることもなく後から追い立てられることもなく、精神的にもゆったりとプレイができたのはよかった。結局のところ私のスコアは117、夫は119。これは私たちにしてはすごくいいスコア♪(すいませんレベル低くて~)
そして父は101と安定している。父にとっても満足の結果だったみたいで、みんな気持ちよくプレーを終えた。
味噌ラーメンを食べてお風呂に入って、家に着いたらやたらと眠くて、1時間ほど昼寝をしてしまった。めちゃくちゃ気持ちよく眠れた。こんな気持ちいい昼寝ひさしぶり。
そのあと炭起こしをして、バーベキューの準備。といってもほとんど母がしてくれたけど。東洋肉店で買った厚切りのラムチョップが最高だった。ホタテもおいしかった。久しぶりにビールがものすごく美味しく感じられた。飲むのは今日明日が最後だと思うけれども、とにかく今はとことん楽しみたいと思う。そしていろんな話をして、花火をして楽しんだ。
本当に今回帰って来れて良かったと思う。最後の風連かと思ったこともあったけれど、まだまだ風連には帰ってきたいから最後にするわけにはいかない。今日も仏様にお参りをして無事を祈ってた。仏様まいにちすみませんね。
埼玉の妹も両親への告知を気にしているので、母から妹にLINEで聞いたよと言う話を書いてもらった。そうしたらすかさず妹から電話が来て、母と話をしていた。そんな話をしていると、やはり母も東京に行きたい気持ちになってきたらしく…旭川ー羽田の飛行機を調べてみた。まだお盆休み中のハイシーズンなので高いけれど、空席はある。母が上京するのは何年ぶりかな?そうだ、横浜の義父母も呼んで、手術前日はみんなで有明のホテルに前泊して東京を楽しんだらいいかも。どうかな。ちょっと楽しい気分になってきた。
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ついに来た。両親に告知するときが。
2018年8月11日(土)
実家に帰ってきて3日目。今日は名寄でランチ女子会がある。昨日の夜のメンバーと、さらに6人ほど加わって、総勢10人ほどのにぎやかな会となった。今回も新しいお店「ダーチャ」。定食が中心のメニューラインナップで、とてもおいしかった。ロシア語のダーチャと言う名前なので、ロシアと縁があるらしく、店内にはプーチンと安倍首相のマトリョーシカが飾ってあった。さすがに今日は大所帯なので、がんのカミングアウトはなし。雰囲気壊したくないからね。
ランチの後はひまわりを見に。名寄の夏と言えばひまわりだからね♪
映画「星守る犬」の舞台となったことで、全国的にも有名になったスポットだ。
さっきは雨粒も落ちていた空模様だったのに、この時は青空がちょうど広がり、素晴らしくいい写真が撮れた。もう今年はひまわりを見に来れないと思っていたから、とても嬉しかったよ。みんなで写真を撮って(写してくれたのは四国から来たシングルライダーさん)、わいわいと、それこそ女子高生に戻ったみたいな気持ちで楽しく過ごした。
みんなに、別れ際に「手術頑張ってね」「楽しんでね」とまた声をかけられ、勇気づけられた。ここにいると本当に手術の事とか有明の病院の事とかを忘れられて楽しい。でも…もうすぐ両親への告知の時が迫っていると思うと切なくなった。そう、今夜こそ、両親へ言わねばなのだ。
夫が夕方、仙台からやってくるので、JRの駅まで車で迎えに行った。父も一緒に行こうか、と言ってくれたけど、そうすると作戦会議ができないから丁重にお断りし、次男だけ連れて行った。
汽車は時間ちょうどに到着した。実家に向かう車の中で、告知作戦について話した。私は友達がアドバイスしてくれたように、ポリープを切る程度の手術だよ、という話にして、不安がらせないようにしたいと言う話をした。しかし夫はそれには断固として反対。ちゃんとお話ししたほうがいいと言う。こんな機会はもう無いから、ということだ。こんな機会とは、私がちゃんと両親に会って、顔を見て、がんの話をする機会。確かにそれはそう…。
そんなやりとりをしているうちに、次男が横浜にいる長男にLINEを通じて意見を聞いていたことには驚いた。長男の返信としては、ちゃんと本当のことを言ったほうがいいと。ちゃんと治る、と言うことを伝えれば大丈夫。と言う返事であった。
私としては本当に辛く複雑な気持ちである。娘が癌なんて絶対に嫌だと思うし、そんな娘になってしまった自分が情けないというか申し訳ない。仕方がないけれども、できるだけ両親に心配はかけたくない、不安がらせたくないと言う思いの方が強かった。それでなくても、身近な人が脳梗塞で倒れたと言う話を今朝、母と一緒に聞いたばかりだ。そこに娘ががんだなんて聞いたら、ショックが大きすぎるのではないかと思う。
それでもあまりに夫が激しく告知を進めるので、まぁしょうがないかな…と言う気持ちにもなった。そんなことを次々に思っていると、涙が出てきた。この件、つまりがんの件で泣くのはこれで3度目である。一度目は、最初の内視鏡検査の結果を聞いたとき。次は、放射線治療の可能性があるという話を聞いたとき。そして今回が3度目である。
車の中で泣いたので、今日はもう泣かないぞと決めた。それでも家が近づくにつれて、なんか気持ちが落ち着かない感じだった。でも、泣くわけにはいかない。
帰宅すると父と母が玄関から出てきて夫を歓迎した。テーブルにはジンギスカンの用意が既にされていて、すぐにサッポロクラシックを開けて宴が始まった。山の日の特集の、ドローン映像による日本アルプスの美しいテレビ番組を見ながら、楽しく食事が進む。ワインは昨日友人が届けてくれたばかりの、KONDOヴィンヤードさん(栗沢町)の貴重な泡、ナカイミュラワ2017。旨!
結局、まずは夫から話を切り出すと言う作戦にしていたんだけれども、なかなか切り出さない。次男もごちそうさまをして食べ終わり、食事も終盤になった頃…ようやく切り出した。
お父さんお母さんは検査は受けていますか?と言う話から入った。そして結局、本当のことを一通り全部話した。
両親の様子はと言うと、さすがに驚いてはいただろうけれども、それほど取り乱した感じもなく、落ち着いて聞いていたように見える。そして父も実は数値が悪くてね…などという話を打ち明けてきた。まぁ、やっぱりみんないろいろあるよね。そんなこともあって、結局全てを話すことができた。もうすぐ手術をする、と言ったら、その頃なら東京へ行けると言い出した。すごく自然にそんなことを言ってくれて驚いた。親が東京に来て病院で付き添うなど、一ミリも私の頭にはなかったから。
だから、その必要はないと言う話をして、すべて事情を話した。入院中、夫の両親のサポートや妹にもお世話になることなどなど。すでに段取りしていることを、結局すべて話した。
そんな私を明るく受け止めてくれる母には本当に救われる。父もがんの知識が豊富で、すぐにわかってくれて助かる。やっぱり話して良かったと思う。夫や長男の判断は正しかった。
私の心も少し軽くなった。
これで全て私の周りの大切な人への告知は終わった。後は手術あるのみ。がんばるしかない。仏壇に手を合わせてご先祖様にもお願いしたところだし。まずは気力と体力。そうして向かっていくしかない。
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地元で、高校時代の友達にカミングアウトしてみた
2018年8月10日(金)
夜の雨が激しい。いま、2階の寝室でひとりでいるけれど、屋根を打つ雨の音がものすごくうるさい。昼間は晴れていたのに夜のこの雨はどういうことだろうか。恵みの雨には変わりないけれど。
さて今日は朝から忙しかった。朝食後すぐ、納骨堂へお参りに。いったん帰宅し10時からのオンラインレッスン。それから宅急便を受け取って、西風連のGonta Cafeでランチをした。以前いちど満席で振られたことのある、ゴンタカフェ。
念願のランチはとても美味しくて、コーヒーも美味しくて。看板犬の、ゴールデンドゥードルのゴンタくんもとても可愛い。朗らかで明るい真美さんと、名寄にいかに観光客を呼ぶか…などの話をしたのも楽しかった。このあたりの天塩川、朱鞠内湖は、釣り人にとって聖地らしいと聞いた。ずっと住んでいると見えないことってあるよね。
ランチの後、外に出て周りを見たら、我が家の辺りより少し高いところにあるせいか、風景が開けていて空も高くて山も近くて、とてもいい感じの場所だ。ここなら確かにお客さん呼べるかも!
それから一旦帰って今度は母方の祖父母の納骨堂へ行き、お墓にお参りをした。それからまた一旦帰ってから、父と2人でゴルフの練習に出かけた。2コイン分の打ちっぱなしをしてその後アプローチの練習をした。アイアンがうまくいかないのは、今まで、球を置く位置が少し遠すぎたようだった。ほとんど太ももに着く位のところでクラブを構えて大きな円を描くように打てば、うまくアイアンが当たった。この調子だとアイアンはきっとうまくいく!父と二人、楽しい時間。こういうときはもう、完全にがんのことなど忘れているね…。
それから6時に約束していた、地元の高校の同級生3人との女子会へ。2年前にできたと言うAOZORA料理店は、ランチに訪れたゴンタカフェに続き、名寄とは思えないような素敵な空間であった。今日はスパークリングを2杯飲んでみんなに合わせた。ピザや野菜がとても美味しくて、手作りチーズもあった。とてもいいお店。
さぁ今日はみんなにカミングアウトするかどうか。楽しい話題が続いていて、ちょっと病気の話題にはふさわしくない雰囲気だな。でも途中でもう一人の友達が加わり、話がそっち方面の話題になった。この年頃になると、女子会では一つや二つは、やまい系の話が出るものだ。
そんな流れになったので、私は「ところで大腸内視鏡検査をしたことがある?」と聞いてみたら。今日のメンバーは誰1人おしりカメラの経験がなかった。そこで私のがんが見つかった話、ステージ1だという話をした。そうするとみんなは、意外と驚いていたのかどうかわからないけれど、そうなんだ…と言う感じで受け止めてくれた。そのうちみんなも、手術の経験があるよ、などと言う話をしてくれた。身近で聞いたがんの話とかね。みんないろいろあるよね。中にとてもポジティブな子がいてね。入院生活、そして手術を楽しんだと言う。
まぁ、私も多少はそういう気持ちがあるけれども、そこまで楽しめるだろうか?でも、みんなから、楽しんでおいでよ!と言われてね。なんだか、みんなもポジティブなので逆にびっくりしたよ。
そして、親には言えない…と言う話をしたら、みんな口を揃えて「それは言ったほうがいい!」と。ポリープを取る手術をする、と言う話でいいと。悪性かどうかは取ってみなければわからない、と言うことにして、取ってみたら悪性じゃなかったよ!と言う話にすれば良いと言う。なるほどな。みんなやたらと具体的で面白かった!でも確かにそうだと思う。みんなの提案はナイスアイデアだと思う。手術することは事実だけれども、余計な心配をかけないほうがいいからね。夫にも、その線で行くように言ってみようと思う。
明日はいよいよ夫がやってくる。久しぶりの北海道だから楽しみにしているはず。一方で、どうやって両親に伝えようか心配をしているとも思う。その事は、妹も心配している。でもポリープ作戦で行きたいと思うからきっと大丈夫。
ここにいると、がんのことを本当に忘れる気がする。本当に東京から、そして有明から離れていると、何もなかったみたいに思える。先週、先々週の、一連の怒涛の出来事が何にもなかったことみたいに思える。やっぱり北海道に帰ってきてよかった。こういう気持ちの切り替えは、きっととても大事だと思うから。今日もみんなに受け止めてもらえて、また少し心が軽くなったから。高校時代の友達みんな優しいなぁ。きっと結構びっくりしたと思うんだけれども。深刻に受け止めず、ポジティブに。とことんポジティブに受け止めてくれた。
そしてまた今日も私は、大腸内視鏡検査を強力にお勧めしておいた。とにかく外科手術になってからじゃ色々と取り返しがつかないことがあるからね。疑わしくなくても、早期に大腸内視鏡はやはりやった方が良い。私の今後のことを考えれば考えるほど、本当に強くみんなにそう訴えたい。
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夏の帰省旅行が始まった。心に重い石を抱えたまま。
2018年8月9日(木)
朝はみんなゆっくりだったので、7時半まで寝た。巣篭もりキャベツの目玉焼きを朝ごはんに、3人で食べる。そして9時から日本語のスカイプレッスンが1件。10時にペットホテルが犬のお迎えに来る。忙しい。日本語の生徒さんたちにもメールをしたり、事務連絡メールをしたり。バタバタと時間が過ぎる…
大荷物でサッカーの合宿に行く長男を、車で駅まで送る。
そんなバタバタの母を横目に、お昼は次男がオムライスを作ってくれた。ありがたい…
そしてようやく14時半ごろ次男と二人で家を出る。外は台風一過で猛暑だ。駅まで歩くだけで、汗だくだ…これから向かう北海道は涼しいといいな。
横浜駅からはリムジンバスで羽田空港へ向かった。結局この行き方が一番楽なのよね。降りてすぐ、航空会社のカウンターに行けるから。
大行列となっていたメープル坊やのお菓子と、パンダの柄のお菓子をお土産に買う。次男とといろいろ試食して、楽しい。昨日ベッドでも思ったけど、これからますます成長していく次男のことを、もっとずっと見守りたい。だから今、わたしは終わるわけには行かないのだ。なぜか今朝、眠っている次男の手を握りながら強く感じた。
台風の影響が心配されていた旭川行きの飛行機は、予定通りに飛ぶらしい。本当に良かった。午前中はかなり乱れていたみたいだから、午後に変更しておいて良かった。私はいろいろラッキー。本当にラッキーだな。
旭川には予定通り到着。降り立ったら、空気がひんやりしていた。こんな涼しさ久しぶりだ。東京よりも10度くらい涼しいらしい。出口に近づくとすぐに母の顔が見えた。父も元気そうだ。霧雨が降っていてまた結局天気が悪いのか…残念…と思ったら、1ヵ月ぶり位の雨だそう。農家にとってはめぐみの雨だ。
帰りは父が士別まで運転してくれて、車内では次男の学校の話や、ハムスターを預けた話をした。入院の話には当然まだ触れない。まだまだまだ…。
晩ご飯は回転寿司で。着いたのは7時50分でラストオーダーが8時半ということだったのでちょっと急ぎ目に食べた。さすが田舎は閉まるのが早いよね。しかし、相変わらず、エビもホタテも魚もやっぱりここはおいしい。3人でご声援分ぐらい食べた。父も母も変わりなくてうれしい。こんな2人にがんの話をするのは本当に嫌だなぁと思う。心底、嫌だなぁと思う。
家に着いたら雨は止んでいて。お仏壇に手を合わせてそれからみんなでお中元で届いたお菓子を食べた。長い一日だったなぁ。でも、実家のお風呂に入ると、今日までの疲れが吹っ飛ぶ。いつもはね。
でも今回は、これから控えている最大のミッション:両親へのカミングアウトを思うと…吹っ飛ぶものも吹っ飛ばないのだ。心に重い石を一個かかえたまま、夏の実家ライフが始まった。
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入院前の最後の出勤日に、好物のトンカツを食べた
2018年8月8日(水)
今日は台風が接近するかも…と言うような天気の日だった。
毎週水曜日は定例会議の日。この会議にもしばらく出られないのかと思うと、なんとも寂しい気持ちになった。またこの職場に戻ってこられるのはいつになるのかな。そもそも手術した後の自分の身体は、どうなってしまうのかな…。
事務所のリフォームがもうすぐ始まるので、自分の机の中を全部空っぽにしなければいけないと言うことで、慌ただしかった。リフォーム後は、フリーアドレス制になるらしい。後は、明日から夏休みを取るし、そのあとすぐに入院…なのでしばらく会社で仕事が出来ないので、業務の引き継ぎのことをチームのメンバー3人で話し合った。残される2人には負担をかけてしまうから申し訳ない。本当に。それなのに2人は、「会社のことは気にしないで治療頑張ってね」と言ってくれたので、とてもうれしかった。それから関係先にメールをたくさん書いた。もちろん、無駄な心配をかけてはいけないので、「がん」という言葉は出さないで。入院する旨と、仕事を誰それに引き継いでいる旨を記した。そうこうしていてもなお、今の身体は非常に元気なので、本当に違和感があるんだよなぁ…。メールを受け取る客先の方々も、違和感あるだろうなぁ。どう見ても元気だからな、わたし。
さて、台風がだいぶ近づいてきていたので、帰れる人は早く帰っていいと言うお達しが出たけれど、結局定時の5時半までかかった。ちなみにお昼ご飯は半年ぶり位にとんかつを食べた。とんかつは私の大好物だが、思うところがあって、半年前からとんかつ断ちしていたのだ。でも、手術したらとんかつはしばらく食べられなくなるからと思って、今日はヒレカツを食べた。実は今日も財布を忘れてしまってSuicaで支払った。Suicaにはギリギリお金が入っていたので、なんとか1000円のヒレカツ定食代を払うことができてよかった。財布を忘れるなんて、やはりなんだかんだ言って私は一連のことに動揺しているのかな。
帰りがけに、仲良しの上司に握手された。頑張ってね、って言われてちょっと涙が出そうになった。いけないいけない。次にここに出勤して来れるのはいつになるだろうか、と思うと、グッとくる。地下鉄に降りる階段も、次はいつになるだろうかと思う。
帰りの電車はスムーズに動いていて、特に台風の影響は受けていないようだった。それでも雨と風が強いから駅からバスで家に帰った。ものすごい行列だったので乗れなくて1本見送った。
帰宅してからも一仕事ある。帰省中のハムスターの預け先に挨拶に行くのだ。ネットでたまたま見つけたエニタイムズというサービスがあり、ペットの預かりを自宅でしてくれるという人がたまたま近所にいたのだ。息子たちも連れて、挨拶に行った。とても感じのいい、信頼できる方で良かった。これでミッションひとつクリア!
その帰りにココスで晩ご飯を食べた。3人で食べるご飯は次はいつになるだろうか。なぜなら、明日以降は3人の予定がばらばらだから。そしてばらばらのまま、私は入院するから。
帰宅後は、スケジュール管理を息子たちと3人で行った。入院中の子供たちをどうするか。高2と中1でもう二人だけで寝泊まりも可能だけど、さすがに2週間は子供だけというわけにはいかないよね…。ということで、単身赴任中の夫の帰宅予定や、夫のいない日は実家に泊まりに行く…などなどがスケジュール調整の焦点となる。サッカー部で合宿やら朝練やらが立て込んでいる長男と、テニス部の次男と。そして入院する私と、仙台の夫と。みんなの予定がバラバラすぎてもう訳が分からなくなっているけれど、カレンダーに書き込んで何とか見える化した。それから夫の実家に電話をして、息子たちがお世話になる日がいつになるのかを伝えた。
なんだか入院が近づくにつれてやることがたくさんあって、子供たちのことがますます心配になる。がんはひとりじゃ闘えない。本当に面倒なやつだ。でも、一個一個、問題をクリアして先に進まなければならないのだ。
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まさかの治療方針転換?手術日はどうなるの?
2018年8月7日(火)
朝9時20分に、がん研有明病院の主治医の診察外来を予約していた。今日も夫と2人で朝8時8分の電車で地元の駅を出発。もうすっかり慣れたもので、大井町駅での乗り換えもスムーズだ。最初はあまりに地下深くもぐるものだから少々怖くなるくらいだったけど、もう平気。
今日は久しぶりに朝から雨が降っている。傘がいるかいらないかの小雨だったけど。
再診の機械にカードを通していつものように呼び出し機をもらい、14番受付で待つ。9時20分過ぎ、予約時間通りにすぐに呼ばれて診察室へ入る。
今日は、先週木曜日のCTと注腸検査の結果を聞いて、手術が20日で正式に決まりですよ!と、とんとん拍子で話が進むものと思っていた。それなのに、検査結果のモニタ画面を見ながら先生は、これからやるMRIの結果を見てから放射線治療をするかどうか決めた方がいいと言い出した。
ほ、ほうしゃせん、ちりょう…?
これは初耳である。
どうやら、先週の画像診断の結果、割と深さ(専門用語的に言うと、浸潤:しんじゅん、がんが身体のどのくらい奥深くまで入り込んでいるかのこと)があるかもしれない…と言うことらしい。そして肛門からの腫瘍の距離が近いことも問題らしい。がんが深くて肛門から近ければ、先に放射線治療をして、がんを小さくしてから手術で切除する、ということが最良だというのだ。
正直、放射線治療と言うのは想定外。もう、まったくの想定外。
この言葉には本当にショックで、心底、辛くなった。
だってそもそもMRI検査の予約はお盆の帰省後の14日、来週だし。放射線治療をすることになると、手術をするのはそれから1ヵ月半から2ヶ月先になると言う。8月の20日に手術を予約していたのに、それもパーになってしまうと言うこと。全部仕切り直しだ。
なんだかもう、目の前が真っ暗になってしまった。聞いてないよ、放射線なんて!嫌だよ、放射線なんて!一刻も早く手術したい。夏休みの間に、全部カタをつけたいんだよ…。さすがの私も、まさかの展開に涙がこぼれる寸前となった。
でも!
神様は私を見捨ててはいなかった。なんと14日にしか予約が取れなかったMRIが、今日急に空きが出ていると言う。今日でMRI、良いよね?と先生に聞かれて、もちろんやります!!と即答する。今日はこの後、まっすぐ会社に行くつもりだったけれど、今日はすいません。病院優先させてください…。とにかく早くMRIをやりたかった。早く本当のがんの深さを知りたかった。
まさかの今日突然のMRIは本当にラッキーだと思う。取れた予約時間は13時半。まだまだ時間があるけれど、病院で待つことにした。一瞬空き時間を利用して会社に行こうかと思い、上司にも連絡したけれど、往復を考えると…しかも雨も降っているし、無駄な体力使わないほうがいいよと言ってくださって。それに従い、おとなしく時間まで病院で待つことにした。付き添ってくれている夫も今日は午後から会議が入っていたようだけど、なんとか調整して、会議には行かずこの先も一緒にいてくれた。
いつものようにタリーズで2人で向かい合って過ごす。夫はコーヒーとサンドイッチ、私は水出しアイスティーを飲んだ。朝6時から何も食べていなかったから、先生の診察が終わったら一緒に朝食を食べようと思っていたのに…MRI検査前は食事ができないので、お昼はまだまだ先。これも本当に辛かった。はらぺこにもほどが…
そしてまた2人でインフォメーションに置いてあるがん関連の参考文献を読み込んでいて、もしかしたら放射線治療かも…思うと、今度は本当に涙が出てきた。何かわからないけどすごくショックで、何より手術が先送りされてしまうということが、ものすごく辛く感じた。
そこで読んだ参考文献によると、放射線治療はやるとしたら週5日連続で病院に通い、それから効果が出るのが1ヵ月半くらい先だと言うこと。放射線ってなんだかとても強そうだし、毎日ここに通うと言うのも、すごく身体の負担になるような気がした。抗がん剤は今のところやらなくても良さそうだけれども、それだって手術をしてみなければわからないこと。先生の診断では、CTと注腸検査の結果、わたしのがんはステージ2には達していないと言うように見える…と言う事だ。ステージ1のうちは、術後の抗がん剤は使用しないというのが、この病院の方針だという。でも。とにかく、MRIの結果が出るまでは全然安心できない。
まぁ、ずっと落ち込んでいても仕方がないので、スマホでフェイスブックを見たり、持ってきた本を読んだりして時間を過ごした。そうこうしているうちに13時半になり、2階のMRIのところで待っていた。すぐに名前は呼ばれた。また検査着に着替え、金属のものは体から全て取り払う。が、またやっぱり結婚指輪だけは外し忘れていた。
MRI検査では、静脈から造影剤を入れると言う。看護師さんが最初、左腕に入れようとしたらうまくいかず、右腕の先日のCTと同じところに注射針を入れた。少し冷たい水を体に入れられて、それからMRIの部屋に入った。男の技師の方が2人がかりで対応してくれた。お腹をしっかりベルトで固定して、腕は胸の上で組んでください、音がすごいところに入りますよ…と言われた。クラシック音楽のような曲がうっすらと流れていて、そのうちMRIの金属音が、ウィーっとか、ピコピコとか結構な音量で鳴っていた。オレンジ色の耳栓をもらってそれを付けたけれども、外したらどれだけの音になるのだろうか。ちょっと大げさだなと思ったけれども、耳栓をしてもはっきり聞こえる位の音だったのでやはり大きな音なんでしょう。そして何度も、多分撮影をしているんだろうけれども、動かないでください、そのままでいてください…などと女性の声が入ってきて、それに対応した。ずいぶんと長く撮影しているような印象を受けた。そして最後の方でようやく造影剤を入れられた。でも別に痛くも痒くもないので、MRI検査はとても楽だと感じた。しいて言えば、ちょっとうるさいだけ。特に人体に害は無いとの事だったけれども、これでどんな写真が取れるのか後で見るのが楽しみ…なわけはなく。見るのは怖いと思った。
そしてまた1階に降りて、診察受付に、MRIが終了した旨伝えた。するとまた呼び出し機が鳴るまで待っていて下さい、と言われる。とにかくお腹が空いていたので、東京会館でオムライスでも食べたい気持ちでいっぱいだったけれども、その間に先生に呼ばれたら失礼だと言うことで、夫の強い反対に会い、お腹ペコペコだったけれども我慢した。いや正確には、ファミリーマートで暖かいフォーと、はらこめしのおにぎりを買ってすぐに食べた。とにかくお腹が空くと無駄にイライラしてしまうからね。食べるの大事!
食べたら少し落ち着いて、自分の気持ちも落ち着いたようだった。3時半を過ぎた頃に診察室に呼ばれた。先生は私たちが部屋に入るやいなや、いきなり「検査の結果は…」としゃべり始めたから、なんだかおかしかった。先生、ずいぶん気が早いよ!まだ椅子に腰かけてもいないよ!
で、MRI検査の結果、どうやら筋肉層のその先にまでは浸潤していないようであった。放射線治療の必要もなく、予定通り20日に外科手術をするということで話がついた。
とりあえず…そりゃあ、ほっとしたけど、この画像診断結果は本当に大丈夫だろうか?と言う気持ちもあった。疑うわけじゃないけども。それを察した先生はわたしたち二人に詳しく、モニタを指しながらここがこうでああで…と言うような説明をしてくれて。大腸の周りの黒い輪っかみたいになってるところが黒いままだから、放射線はしないで大丈夫だ、と言うようなことを言っていた。いや「大丈夫」と言う言葉は医師は決して使わないのだけれど、そのようなニュアンスだった。
そして手術日、8月20日(月)までの段取りについて聞くと、土日の入院開始は無いので、17日の金曜日から入院することになると言われた。そして人工肛門は免れられないという事になったので、入院期間は2週間を見ておくと言うこと。入院のときの持ち物等についての説明はまだ聞いていなかったので、それは今日このあとすぐに別の担当者から説明してもらうよう、パソコン上で先生が手配してくれた。
とりあえず予定どおりに20日に手術ができることになった事は本当に良かったし、ゴルフや山登りなどの運動をしても差し使えないと言われたので、北海道の帰省旅行でも思うように過ごせると思う。この点についても夫は私より積極的に質問していたけれども、それだけ彼も不安なんだと思う…
まぁとにかく、当初の予定通りになって一安心である。
朝は本当に絶望的な気持ちで放射線治療のことを考えていたけれど、そこを免れられて本当に良かった。放射線治療は別に悪い治療でも何でもないし、実際にそれでがんが小さくなって手術効果が上がるケースもあるとは聞いている。でも、自分には関係ないと、なぜか思い込んでいたからね…。想定外のことが突然降って湧いてくると、ひとの心は大きく乱れ、落ち込むのだね…。
ひととおりの方針が固まったので、夫は安心して、仙台へと戻っていった。ここからは私ひとりで病院に残る。
それからしばらくして看護師さんに呼ばれ、入院までのステップについて話を聞いた。9番の入退院受付でまず詳しい話を聞きなさい、と言う事だったので早速行くと、4つ位のブースがある小さな部屋であった。ここの説明で、パジャマは1日200円でレンタルでき、着替え放題である、と言うことや、パソコンの持ち込みはOKだけれどもポケットWi-Fi等がないとインターネット環境は院内にはないと言うことなどを確認した。(実際には1Fのタリーズ周囲には、タリーズ提供の無料Wi-Fiがあるし、ファミマ付近にはファミマWi-Fiはあるけれども。各病棟にはないということ)
そうこうしているうちに呼び出し機のベルが鳴って、今度は人工肛門についての説明を看護師さんに受ける段になった。また別の「相談室」と言う小さな部屋に入り、かなり詳しく人工肛門についての説明を受けた。このこともまた、私にとっては青天の霹靂。内田春菊さんの体験記「がんまんが」で読んではいたけれど、まさか自分は違うだろうと、漠然と思っていたからね…。
がんまんが 私たちは大病している (BUNKASHA COMICS) [ 内田春菊 ]
人工肛門のことは別名「ストーマ」と言い、ギリシャ語で「口」を意味するということ。自宅で自分で定期的に排泄物をためる袋を取り替えなければならなくて、それが週に2回の交換で、1ヵ月で約1万円位かかると言うこと。そしてそれは保険適用外で自己負担であると言うことにはちょっと驚いた…。そして入院中に何日もかけてストーマケアの仕方を勉強すること…などを教わった。結局、思っていたより入院期間が長いのは、半分くらいの日数をこの人工肛門に慣れるために要する言うことだった。なんだかそう考えると…なんだかなぁ、と言う感じがするけれども、本当にこれは私に迫った現実なのだなぁ…とも思う。
新しいことが次から次へと訪れて、とても新鮮な気持ちである一方、やっぱりがんって結構大変なことなんだなぁ、と思う。人工肛門ということは本当に結構大変そうで、考えるだけでもちょっとぞっとするけれど、生きていられるだけいいのかな…と思うしかない。
そんなこんなで丸一日病院で過ごした。ぜんぶ終わったら5時を過ぎていた。気持ちの浮き沈みも朝からとても激しかったので、今日はものすごく疲れ果てた。すごくすり減った気がする。消耗しまくった。もう自暴自棄じゃないけれども、晩ご飯なんて作る気力などない。それにお腹も空いている。結局最寄り駅まで帰って、次男と待ち合わせて、駅近くのレストランで定食を食べた。そして7時からのスカイプレッスンがあったので、タクシーで急いで帰ってパソコンをつないだ。こんな状況でも仕事をしなければいけないって言うこと。なんか、もういろんなことがどうでもいいような気がして。それでも現実にはいろいろやることがあって。北海道の実家にも電話をした。9日の朝の早い時間帯の飛行機で行く予定だけれども、台風が来て欠航になりそうだと航空会社からメールが来たから、朝ではなく夕方出発の便に変えたことを話した。そして友達とのランチ会や飲み会があるけれど、今回は自分で運転して往復する、お酒は飲まないからね、と言う話をしたら。あんたが飲まないのは肝臓でも悪くしたのかい?と母に聞かれ、ちょっとどきっとした。母にがんのことを言うのはやっぱり辛いけれど、言うしかないんだろうなぁ。先日告知したばかりの妹と義理の母にも、LINEで手術の日程を連絡した。
こうやって1日1日、手術までの日を過ごしていくのだなぁ。
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大人の夏フェスで思いが込み上げ、涙した一日
2018年8月5日(日)
今日もものすごく暑い1日。前々から予定されていた、葛西臨海公園での葉加瀬太郎生誕50周年記念フェスティバルがあった。いわゆる夏フェス、である。夏に野外で行われる、複数のアーティストが登場する音楽イベントだ。
がんであることが分かった時は、果たして私はこれに行くことができるのだろうかと思ったけれど、行けることになって本当によかった。夫婦そろって楽しみにしているイベントだったから。なんたって葉加瀬ファンですから。もう何度もライブに行っているし、結婚式の入場曲にエトピリカを使ったくらい好きですから♪
午後からゆっくり家を出て、電車で葛西臨海公園まで移動した。ラッキーにもずっと座って移動することができた。到着したのは2時半ごろ。1番暑い時間帯だ。駅から歩いて10分ほどで公園のエリアに入った。指定されたエリアで1人1枚の敷物に座って観るスタイル。思ったよりぎゅうぎゅうづめでもなくて、なかなか悪く無い。大人のピクニックみたいで愉快な気分♪
ほどなくして葉加瀬太郎氏本人がステージに登場。最初の演目、STARDUST REVUEの紹介が始まった。電車の中でSTARDUST REVUEの曲を予習してきた。だからこそ、最初の音が流れた時はかなり感動的だった。ボーカルはしわがれた声に聞こえたけど、歌い出すとそれがまた味があって素敵だ。歌がとてもうまいと思った。「木蓮の涙」と言う歌は本当に泣ける。愛する人を亡くした歌なんだけれども、なんだか聞いているといろんなことを想像してしまった。
葉加瀬氏のバイオリンとのコラボも素晴らしい。こんなふうに、ゲストアーティストと葉加瀬氏のバイオリンが絡みながら、コンサートが進んでいくようだ。
~中略 コンサートの内容レポートが読みたい方は(長文覚悟で!)、コチラへどうぞ:登場人物はKREVA、矢野顕子、さだまさし、シュガー&ソルト、佐藤竹善、鈴木雅之、槇原敬之、クライズラー&カンパニーです)~
そしていよいよクライマックスは「情熱大陸」であった。と言うか、葉加瀬太郎のオリジナル曲が1曲もないんですけどいいんでしょうか?はかせんすがヒラヒラと、ここでやっと登場する。オリジナル曲がないことに、ちょっとびっくりの展開であったけれど、情熱大陸はゲスト総動員で盛り上がった。最後は圧巻であった。
この頃は日も落ちて、夕陽も綺麗で、とても気持ちが良い時間帯となった。
今日のコンサートを聴きながら私もいろんなことを思った。この先、わたしがいなくなって、夫を1人にしてしまったら…こういうところに、彼は1人で来るしかないのかな。そう思うと、なんともいえない切なさがこみ上げ…なんとしても、がんばらなければならないと思った。夫を一人にするわけにはいかない。それにはまだ早い。がんで死ぬわけにはいかない。
帰りは最寄り駅まで帰ってラーメンを食べようと思ったら、ラーメン屋は日曜の夜は二軒ともお休みであった。結局、お気に入りのお店で軽く一杯だけスパークリングを飲んで、小さなおつまみを食べて帰ることにした。こんな風に、夫と過ごす時間を、まだまだ持ちたい。この人を一人にはさせたくない。
そんなことを強く思った、大人の夏フェスの一日。
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初対面の方にはできても、旧知の友にはできなかったカミングアウト
2018年8月4日(土)
今日は土曜日。前から予定していたキャリコン養成講座の卒業生勉強会が川崎で行われる。楽しみにしていたので予定通りに行く。駅までは車で夫が送ってくれた。相変わらず過剰にやさしい(笑)でもありがたい。暑いからね…。
勉強会は13時から16時まで。例会のように過去何度も開催されていて、初参加の人は私を含めて4人ぐらいいたけれど、皆さん私より2期か3期もしくはそれ以上、上の卒業生の先輩方。どうやら毎回お二人ずつ発表をし、それについて皆で意見交換をすると言う会のようだった。
お二人の先輩方の発表を興味深く聞き、その後は一人一人近況報告。自己紹介を兼ねて順番が回ってくる。皆さんそうそうたる面々であった。大企業の人事部の方、講師歴17年の華やかな女性、人材会社の経営者の方などなど…全部で14名位いらしただろうか。さぁ私の番となったときに、今の職場での話をしつつ、これからキャリアコンサルタントとして自分がやりたい事は…「もったいない人」を少しでも減らすこと、と言う話をした。そしてなぜか、ここで今カミングアウトしたくなった。本当は朝から迷っていた。入院・手術の話を今日しようかどうしようか。でも話し出していると、話したくてどうしようもなくなってきた。
自分には今、転機が訪れている。実は今月下旬に手術をすることになった、と語り始めた。言ってしまえば大腸である、と。検査をすれば見つかるものだから、今ここで私の話を聞いた方は必ず大腸内視鏡の検査を受けてほしい!と熱く伝えた。どうしても大腸の話を自分でするときは、みんな検査を受けて!という論調で締めくくってしまう。だって私がカミングアウトする理由はそれしかないから。
その会場内で過去に大腸内視鏡検査を受けたことがあると言う方はたった3名しかいらっしゃらなかった。やっぱりね、そのくらいの受診率なんだ。もっともっと啓蒙活動をしていかないといけない。私みたいに、がんが大きくなってて手術をすることになっては遅いのだから。
皆さんさすがに多少ひいていたような様子もあったけれど(苦笑)、同じ養成講座で学んだキャリアコンサルタントの皆さんだし、ここは守秘義務が守られる安心安全の場だから…とついつい甘えて話してしまった。それは、よかったんだか悪かったんだか…。私の心は、話したことですっきりしたことは確かだ。
その後、何人かの方と個人的にお話しすることができた、お母さまも大腸がんだったけど手術後5年たった今もぴんぴんしていらっしゃると聞いた。私の熱弁を真摯に受け止め、必ず検査受けます、ありがとうとお礼を言ってくださる方もいらした。そして、手術への激励、また帰ってきてねと温かい言葉をいただいた。本当は全然自分でもがん患者の気分ではないし、相変わらず元気なんだけれど、こんな風にみなさんに言っていただけると、嬉しい反面、あぁやっぱりみなさんからは私はがん患者に見えているのだろうか…と思ったりもする。
そんなこんなで5時近くまで話は盛り上がり、名残惜しい気持ちで皆さんと別れた。
6時半からは、ブラジル駐在時代を共に過ごしたご夫婦がサンパウロから一時帰国しているので、夫と4人で食事会。かなり久しぶりに会うふたり。相変わらず若々しくて素敵なご夫婦である。そしてみんなよく飲み、よく食べる!(日本の食べ物はなんでも美味しいんだよね~♪)
そういえば私がいつもの調子で飲まないので二人とも不思議がっていたから、実はちょっと手術をすることになっていて飲めないんだ…と言う話をした。この場ではさすがに、具体的にどこがどうなったと言う話は出来なかった。これからまた遠い国へ帰るふたりに、余計な心配はかけたくないからね。久しぶりの今日は、ひたすら楽しい飲み会で終わりたい。
帰り際にはお大事にと言われた。そうだよね、手術を受けるわたしは、れっきとした病人だよね。こんなに元気なのになぁ。本当に変な感覚だ。
今日の私は白ワインを一杯だけ飲んで、他の3人はびっくりするぐらいぐいぐいとグラスを開けていた。自分が飲まなくなると、他の人の飲みっぷりに驚かされる。自分だって同じペースで今まで飲んでいたのにね!そして意外と自分が飲まなくても、飲み会の場では平気だと言う事を改めて感じた。飲まないと、頭もすっきりしているし体も軽く、楽な気がする。
帰りは急な石段を登って歩いてゆっくり帰った。夜になると少しだけ涼しい。ふたりと次に会えるのはいつかなあ。サルバドールの話もたくさんできて楽しかったな。がんの手術前には、もともと予定されていた人とは会いたいし、予定されていたものには出席したい。だって…あの検査さえしていなければ…わたしは全然いつも通りのわたしなんだから。元気なわたしには変わりないんだから。(でも、がんであることも事実、なんだよね…)
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妹と義理の両親にカミングアウトする
2018年8月3日(金)
今日は非勤務日。午前中、郵便局でもろもろの発送をし(通販の返品と、ゆうゆうメルカリ便と)、有楽町へ向かった。埼玉に住む妹とふたりで久しぶりにランチをするのだ。
もちろん目的は、がんのカミングアウトだ。
そんなランチ嫌だけど、仕方ない。言うしかない。近くに住んでいる実の妹だもの、入院でいろいろとお世話になるかと思う。だから、早く伝えないとね。
地下にあるハワイアンなカフェに初めて入った。前に妹が横浜に遊びに来た時、もうすぐオープンするハワイアンレストランの前を通って「いいね~ハワイアン、食べたいな」と言っていたことを思い出してね。今日は有楽町のハワイアンにしてみた。一足先に到着していた妹は、一番奥のベストポジションな席を取っておいてくれた。
ランチプレートのアヒのグリルとパンケーキを2人でシェアすることにした。
最初は妹の話で盛り上がる。少し前に会ったという義理のお兄さん夫婦の話とか、そこから派生して健康の話題とか。もともと妹は健康オタク気味なところがあり(笑)いろいろと詳しい。
そうこうしているうちに話は本題に入る。なかなか私が核心に迫らないものだから、妹の方から、「いいっちゃいいけど、悪いっちゃ悪い話って、なんだろう?ってダンナと二人で予想してたんだよ」」と言い出す。
実はランチの誘いのメールに、「直接会って話したいことがあってね。いいっちゃいいけど、悪いっちゃ悪い話」と書いていたんだ。わかんないよね。妄想ふくらむよね…こんな書き方されたら。でも本当のこと。早期発見できたから、いいと言えばいいこと。でも、がんは、悪いこと。
そこで妹夫婦が想像したのは、うちの夫が海外転勤か?とか、家族で仙台に移住か?とか、脱サラして農家を継ぐか?…というたぐいのことだったと(笑)
なるほどね、そういう発想ね!おもしろいね!
ぜんぜん本題とはかすってもいないけどね!
なんだかおかしくて、うっかり、涙が出た。
涙を見た妹は、「そういうことじゃなくて健康系の話なの?横浜のお父さんかお母さんが余命宣告とか?」ときた。まぁ…近づいてきたけど。横浜のお父さんでもお母さんでもなくて、私のことなんだよね…。で、それからいつもの通りのストーリーに入るわけなんだけども。
妹は、まぁ驚いていたと思うけれども、思ったより淡々と受け止めてくれた。さすが、けっこうな健康オタクらしく、がんのことにも詳しくて、5年前には大腸内視鏡検査もしたらしい!グッジョブ!マイ妹!その時は便潜血検査で陽性が出たからだと言うことだが、なんでもなかったみたい。本当に良かった。
そんなこんなで私も涙することもなく、普通に話をしたわけだけれども、妹はどうも現実味がないらしい。まぁそうだよね、目の前にこれだけ元気な人がいるわけだから。その人がいきなりがんだと言い出しても、ね。実感がわかなくて当然だと思う。
だけど別れた後、その日の夜にLINEが来て、やっぱり結構かなりショックだった…と改めて言う。どうも妹には妄想する癖があって、悪い方悪い方にと考えてしまうらしい。かわいそうに…。それで夜、頭が痛くなったんだと。でもね、現実は現実で、事実は事実。これはいくら妄想してもしょうがないことなんだけどね。妄想するだけ無駄というか。でも、そういうタイプだから仕方がないとも言える。そんな妹の特性を思うと、がんのこと、言わないほうがよかったのかなとも思う。帰宅後、ダンナさんに話したら、彼もけっこうなショックだったらしい。そういう風なことを聞くと、カミングアウトもどうしたものかと考えさせられる。本当に。伝えたいには伝えたいけど、そのことで相手を苦しめる。心配かける。それも事実なんだよね…。
がんってやつは、困ったもんだ。
ランチの後、妹と別れ、今度は横浜のモアーズへ向かう。気に入っている居酒屋で義理の両親と、子供たちと全員集合でのお食事会だ。ここでの目的もやはり、私のカミングアウトだ。
でも最初はいろいろなよもやま話で盛り上がる。事前に、どうやって切り出そうかと夫と相談していたんだけど、先日お父さんが大腸内視鏡検査をしたばかりだから、その結果を聞くと言う流れで行くのが良いのではないか…と提案。その線で行くことにする。
実は会うなり、お母さんに、あら痩せたわね…と言われたんだけれども。そうなんですよ、最近ちょっと痩せて…と切り返す。そして飲み物をオーダーする段で、いつもはジョッキを必ず飲む私が今日はウーロン茶とか水とか言っているから、あら今日はどうしたの?と言われる。まぁ、そうくるよね。でもそこからはがんの話にはいきなり持っていかないよ。まだまだまだ。
しばらくして、作戦通り、大腸内視鏡検査の話から入っていった。お父さんの結果の話から、実はわたしも同じ検査をしたらですね…かくかくしかじか、と。
すると、この2人も、思ったよりも大騒ぎはしなかった。よくよく聞くと、夫の家系は私の家系以上にがん家系のようだ。夫の祖母も76歳位の時に大腸がんをやったらしい。そのがんは無事に手術で取れて回復したらしいけれど。だから私も大丈夫だろう!と思ってくれているのかな。いずれにしてもそんなにショックを与えなかったようで、私としてはほっとした。
実際にこの先のことをいろいろ考えたりすると、私も辛くなるんだけれどね。北海道に帰省し、横浜に戻ってくる日、わたしはまっすぐ有明でMRI検査を受けるから、その間、一緒に帰ってくる次男はどうしよう…病院で待たせようか…と思ってたけど、次男は祖父母宅にお世話になることになった。こういう周りの協力は、これからもっと必要になるんだな…ありがたいと思う一方、申し訳なさも、すごくある。
そういえば妹とランチで話している中で、父の姉(私たちのおばさん)も確か大腸がんをとったよねと言う話になった。そういえばそうだったね。ぜんっぜん忘れてた!妹は、おばさんに治療の様子とかを聞いてみたら?と言うけれど、私とおばさんは全然違うし、聞いたところで何かの参考になるかというとそれはきっと違うと思うので、別に聞くつもりはないかな。イトコの旦那さんもそういえば胃がんを患ったんだったよね、ということも思い出す。そう思うと、日本人2人に1人はがんにかかると言うのも、なるほど当てはまらなくもないなと思う。まぁ、わざわざ私がそのニブンノイチに入らなくてもよかったけどね。
妹に言わせると、お姉ちゃんみたいにポジティブに考えられるからそうなんだろうけど、普通は、がんになった人はこういう感じじゃないだろうね、と。やっぱり私はポジティブなのかね?あえてポジティブに思ってるわけじゃないけれど、もともとこういう考え方なのだから仕方がない。いいんだか悪いんだか。
20日が手術の予定だと言うと、妹もその日の夕方、仕事が終わったら病院にこようかなと言う。多分実家のお母さんたちも手術の時に来るって言い出すと思うよ!と言う。そうかなぁ。その発想はなかったなぁ。そんなにみんなで集まるほどの手術じゃないと思うんだけども。
まぁ、何があるか分からないので、それはそれでいいのかな。
相変わらず夕方から夜になると、なんとなく便が出そうな感じがするけど出なくて、その代わりに梅干しのカスのような小さな赤茶色の血の塊みたいなのがわずかに出る。相変わらず気持ち悪いな、この症状は。痛くもかゆくもないのに、何かが出るんだもん…。
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手術前検査として、有明で大腸内視鏡検査と注腸検査を受ける
2018年8月2日(木)
今日も激しい猛暑である。
目覚ましも何にもしないで朝6時半に目覚めた。目覚ましなしで起きるってこういうことか!すごい。
水をコップに一杯飲むと便意。少し固めのが出た。
朝ごはんも食べないから、出かけるまでにまだ時間がある。ホットクックにラタトゥイユを仕込む。次男は今日はライフイズテック二日目。長男は部活休んで大学のオープンキャンパスに行くとのこと。夏休みだなあ。
私は7時40分に家を出た。今日はいきなり電車で座れてラッキー。
りんかい線も、勝手がわかればそんなにきつくない。深く深く潜るけど、深いことがもうわかったから。女性専用車両に初めて乗った。快適!
さあ、国際展示場駅だ。今日も頑張ります。
9時過ぎに再来の機械にカードを通すと、呼び出し機が出てきた。昔のPHSみたいなもの?すごいシステマチックな流れだ。次に、指定の二階Fエリアへ。同意書などを受付に出し、自分で血圧を測って、待機。すると名前を呼ばれ、別の部屋に通される。そこはみんなで下剤を飲む部屋であった。私はマグロコールを渡された。下剤には三種類あるみたい。今回は水は飲んではいけない。1.8リットルをとにかく飲み切りなさいと。
前に自宅で飲んだやつは、モビプレップ。あれは、水と交互に飲むものだった。あれは辛かったな…味が。梅味が…。
で、これは!
一口飲むと、梅味じゃない!ポカリ味で美味しい!これならグイグイ飲めるぞ。
とはいえあまりハイペースで飲むのも良くないとのこと。結局2時間くらいかけて飲み切り、6回目のトイレで看護師さんの目視確認オッケーが出た!
となりのおばさま、70歳、と雑談する。おばさまは5年前に検診で便潜血があり、大腸内視鏡で直腸にがんが見つかって。地元の病院でやろうと思ってたけど子供たちにもっと大きな病院にかかれと言われ癌研に来たと。最初、消化器内科では内視鏡で取れるかもと言われ、内視鏡手術をして1週間入院したけど、取りきれず、5ミリの深さがあり、また二か月後に腹腔鏡手術をして12日間入院したと。なるほど、そのパターンか!本当にあるんだ!内視鏡⇒腹腔鏡のダブル手術の流れ…
いやはや、私もそうなるところだった…クリニックの女医先生のナイスな見立て(これは内視鏡では厳しいかも、最初から外科に行くほうがいいと思うよ)のおかげで、私は最初から外科に来られた。
おばさまはがん摘出手術からようやく5年たち安心してたのに、先日、区の検診で便潜血が出たと。でも血がドバッと出たので多分痔だろうと。ちなみに前回は血も何もなく、元気だったと。やはり、大腸がんってそうなのね…自覚症状ナッシング。検査しないと分からない。怖い怖い。おばさま、今回はがんじゃないといいなぁ。
下剤を飲み切り、便OKが出たら、次は呼び出しを待つのみ。長いな。持ってきた分厚い本を読み切り、病院に置いてあった漫画「ブラックジャックによろしく」も1巻読み切ったよ。
さてさて。
今日の内視鏡検査はきつかった。またも鎮静剤が効かず、全部意識ハッキリと、モニタを見ていた。かなり長い時間やっていた。しかも、前回の内視鏡でポリープを取った後のクリップが残ってたやつを取った。MRIをやる時に金属が弾けるからですって。それにしても、腸の中をぐるぐるとカメラが通るのを感じるほどにきつかった。先生のやり方によるのかな、これ。すみずみまで見ているからなのかな。まぁ、相変わらず検査のみなさんはすこぶる感じがいい。そこは本当に救いだ。
なぜかこのとき、脈拍が44まで下がったらしい。とことん疲れたもなー。
続いて、注腸レントゲン。これもきつかった。胃のバリウムとにていて、台座につかまってぐるぐると回されながら、お尻に薬やら空気やらを入れながらの撮影。気持ち悪い〜。これも15分くらいやってただろうか。初めての検査だけど、これ、すごくお尻が痛いわ。
これが終わったらしばらくトイレにこもった。いろんなものを入れたから、いろんなものがおしりから出た感じだ。
すっかりお腹が空いたけど、今日もまたタリーズで食べるしかない。ピタロール1個じゃ足りなくて、サンドイッチも食べた。カフェのサンドイッチは割高だけど、かといってパスタという気分でもない。だから仕方なく食べた感じ。空腹には勝てない。さて、お会計して帰ろう。まだボーっとしているけど。
それにしても、ここに来てる人は、みんな、がんでしょ?みんなめっちゃ普通だわね。みんな顔色もいいし、全然病人に見えないんですけど。いや私も元気ですけどね。なんだか、がんは特別の病気じゃなく、普通の病気なんだね…とふと思う。
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