がんストーリーは突然に~46歳、働き盛りの2児の母が直腸がんになった話~

2018年夏、元気印の働く母が突然がん患者になっちゃった…入院そして外科手術を経て、まだまだ続くがんストーリーを綴ります。

入院4日目:いよいよ手術当日。その日したこと、思ったこと、そして手術直後のシンドさよ…

2018年8月20日(月)

 

昨夜はどうやらよく眠れたらしい。同室のAさんとBさんが何度も夜中トイレに行ったらしいのだけれど、全然気づいてない…。熟睡できたんだねぇ、不思議。自分は4時に目が覚めて、そうだそうだOS-1を5:10までに飲まねばならない!と思い出して飲んだ。もう一つ紙パックのほうの飲み物も飲んだ。元気注入のための、飲むサプリらしい…。ネスレが出してるんだ。へぇー。

 
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まだ下剤効果で水様便が出て、カスもまだ出るんですけど…

大腸内視鏡検査の時よりキレイにならなくていいとは言うけど、なんか、やだなぁ。切ってもらう時に、できるだけ大腸はキレイでいて欲しい。美大腸がいい。わたしって見栄っ張り?(笑)

 

確かに飲み物を飲んだら少し元気が出た気がする。

 

それにしても、まだ4時過ぎだ。無理して眠らずに、iTunesで音楽を聴いて過ごすことにする。葉加瀬太郎生誕50周年ライブの時に演奏された曲をいろいろ聞いた。なぜかそういう心境だった。

calorina.hatenablog.com

PRAYER(矢野顕子)とか、夢で逢えたらとかめ組の人(ラッツ&スター)とか。佐藤竹善さんがコブクロとうたった木蓮の涙が素晴らしく良かった。そしてマッキー(槇原敬之)のアルバム「君は僕の宝物」を通しで聞いたら、懐かしくて切なくて涙が出てきた…。マッキーいいわ~。


君は僕の宝物
 

 

そうこうしているうちに看護師さんが来て、熱と血圧を測った。今日は顔に

アルガンオイルつけていいか聞いたら(手術の前はノーメイクですよと言われていたので一応確認)、口の周りとかにテープでいろいろ貼るから、オイル系はNGと言われた…そうなのかー。ではおとなしく何もつけずに過ごしますよ。ぎりぎりまで顔は洗わないぞ。ぎりぎりまで自分の脂で顔を潤わせるぞ!(乾燥大敵なアラフォーですから)

 

窓辺の二人がおしゃべりを始めたので私も参加した。空は曇り。ここにきて4日目にして、初めて青空が見えない朝だ。窓を開けたら風が涼しい。秋だねぇ。

 

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…という程度のことをFBにアップした。人生始まって以来の大仕事をする、と書いておいた。これでどういう展開を人は想像するだろうか。まさか元気印のこの私が、直腸がんの切除手術をすると想像する人は果たしているだろうか。ちょっと興味深い。有明 病院 でググったら、私の居場所はもうここしかないと思うけどね。そもそも私が病院にいることを想像できる人はどのくらいいるのかなぁ。私自身、いまこうしてここにいること、本当に想像もつかない事態だからなぁ。

 

そうこうしていると、回診の先生がやってきた。おなかを触って様子をみてくれた。この先生の笑顔は本当にやさしいなぁ。小さいころからやさしい男の子だったんだろうなぁ。今日子供たちも来るんです、先生に会えますかねと聞いたら、説明は執刀医の先生がしますけどたぶん僕にも会えますね、と。こういう素敵なお医者さんが日本の最高峰の病院で活躍していること、息子たちよ、よーく覚えていておいておくれよ。

 

さて。いまの、朝7時の心境はというと。

 

もうまないたの鯉というか。私が頑張れること、それは、病院のコントロール下におかれる中で、それに忠実に従うことしかできない。9時以降はOS-1しか飲まない、5時10分以降はそれすらも飲まない。水も飲まない。前日の絶食とかね。その程度です、私が出来ることは。あとは手術前にできるだけ体力をつけておくこと。どうしよう、ラジオ体操や筋トレでもしようかと、いまふとデイルームで思っている…(今更そんなことしても付け焼刃に決まっているのに)

 

体力をつける意味では、OS-1ともう一個のドリンクをちゃんと飲むことはきっと有効。あとはなんだろうな。精神的に余裕を持つことだろうか。音楽聞いていると落ち着くね。ここにきて3日間はなぜか音楽を聞いてなかった。聞けばよかった。いやこれから聞けばよい。音楽は大事。

 

アロマは毎日使っている。朝はグレープフルーツ、午後はスイートオレンジ、夜はラベンダー。これもほのかな香りで大丈夫そうだ。枕元に一滴、私にしか香らない程度に使う。こんなふうに、自分がリラックスするすべを、たくさん持っておくといいのだよ。

 

 

そろそろ家族が来る頃だろう。7時から駐車場に入れるから、早く家を出ると言っていた。昨夜は母と、夫と息子たちと、みんなでお寿司屋さんへ行ったみたい。わたしのいない家で、北海道の母ひとり混じって、大丈夫かな。私の代わりにきっと家族のひまわりになって、笑顔で過ごしてくれていることでしょう。ありがとうお母さん。



久しぶりに会う長男は一段と大きくなったように見えた。

みんなが揃い、勇気づけられ、わたしは手術着に着替え、手術室へと向かう。

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長男はサラッと一言、

「ママって死ぬの?」と私に聞いた。

今回の件で、一番クールに受け止めてて、自分は自分でサッカーの夏の練習に必死で、とりわけ私に何を言うでもなかった長男。まぁ、何かを言いたくても言うチャンスもなかったね。しかし、久しぶりに会った母親に、この質問て…。

 

北海道からわざわざ母が単身上京し。

そして私の病名はがんで。

病院で、完全ノーメイクで、絶食によりやつれ気味の私を見て、これはやはりただごとではない!と思って思わず口から出たのかなぁ。

これまで彼が抱いていた、そこはかとない不安が、思わず口をついて出たのかなぁ。

 

「ママが死ぬわけないじゃん。大丈夫だよ。」

 

わたしは心からそう答えた。

 

家族はみな、手術室の前まで一緒に来てくれた。手術室に行く用の、大きなエレベータに乗って。

 

わたしは一人一人とハグをして、もしかしたらこれが最後の別れかも…と、ちょっと思って。無性に悲しくなった。麻酔から目が覚めなかったら。手術中に何か起こってしまったら。その可能性はゼロではない。いくら楽天家でB型な私でも、このシチュエーションにはかなわない。涙をこらえるのがもう必死。でも泣いたらみんなに心配かけるし。

 

「じゃあ、行ってくるね。頑張ってくるね!」と手を振って、お別れした。

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家族に背を向けたとたん、こらえきれずに涙があふれた。部屋からずっと付き添ってくれている看護師さんが、だまって優しく背中をトントンってしてくれて、無言で励ましてくれて、それがすごく優しくて余計に涙があふれた。

 

手術室の手前の部屋では、別の看護師さんが対応してくれた。手術担当の方らしい。パソコンのあるハイチェアに腰かけ、名前とか生年月日などを告げて本人確認。これからやる手術は・・・と、画面を見ながら、申し送りと言うか、最終確認をしているようだ。もうこの頃になると、涙もない。もうあとは、先生に、スタッフの皆さんに、全力を尽くしていただくよう願うだけだ。

 

そしていよいよ手術室へ。ドラマで見たことがある手術室の感じより、もっと明るい雰囲気に感じられた。ヒーリング音楽みたいなBGMがかかっている。水色っぽいベッドに横になり、麻酔科の先生の処置を受ける。左腕に太めの針が刺される。この針とは、手術後もしばらく付き合うことになる。

 

麻酔科の先生とは軽く話をした。全身麻酔って初めてです。どんな感じなんでしょうね…と、私はこの期に及んでもおしゃべりでべらべらとしゃべっていたから、先生は、どうぞずと実況していてくださいよ、と笑った。そうこうしているうちに、全然知らないうちに、麻酔が効いて私の意識は遠のいたようだ…。

 

手術室に入ったのは朝の8時過ぎ。

終わったのは午後1時近かった。

ベッドに寝かされたまま、名前を呼ばれ、終わりましたよ~これからお部屋に戻りますよ~と声をかけられた。そのくらいはなんとなく聞こえているけれど、目はうっすらとしか開かない。手術室からの移動中、ベッドがごろごろと動いている感じはあった。

 

部屋に戻り、いろんな機器が私の周りに取り付けられる。心電図?点滴?あとは、フットマッサージャー。これは、血栓がポーンと飛んで脳に達して死んじゃうのを防ぐらしい。いわゆる、エコノミークラス症候群を防ぐらしい。わたしはもうなされるがままで、何の感情もない。

 

そのうち家族が私を取り囲み、私の様子を覗き込んでいることに気づく。大丈夫だよ、無事に終わったよ、安心して!と、夫と母が口々に私に告げる。目はうっすらと開けられるから、母の顔も夫の顔も、息子たちの顔も見えた。でもみんな笑顔ではない。さすがに。(その時の私の様子があまりにも痛々しく、気の毒で、可哀そうに見えていたんだって。後日談)

 

肝心のわたしは、その時はまだとにかくしんどくて。目をずっと開けていられない。だるい。とにかく、疲れてる感じ。そして、じくじくと痛い。麻酔が切れてきたのだろう。じくじくと痛い…。切ったあたりが、痛む。

 

それに加えて、なぜか左手のひじの内側がものすごく痛む。それと、腰が痛む。なぜにひじと腰? 看護師さんに聞くと、手術同じ姿勢で4時間も5時間も固定されているから、そのせいで腰などが痛むひとがいますね、とのこと。なるほどそういうことですか…。

 

とりあえず、手術はすべて順調でしたよ、予定通りでしたよ、と執刀医で主治医のF先生がいつもの笑顔でベッドまで来てくれたことで、私は心底安堵した。

 

痛み止めは点滴でずっと体に入ってきている。そして、手元のボタンを押せば即効性がある痛み止めを別途、注入できるという。連続して何回も押せないけど、痛いときは我慢しないで押していいと言われた。でも、とても強い薬だから、副作用で吐き気が起こったりするとも言われた。それは怖いな…でも痛いな…

 

わたしは痛みには強いほうだと思う。ブラジルで二人目を出産したとき、痛くなったら麻酔を入れるから言って!と主治医に言われ、痛いです!と言ったときにはもう赤ちゃんの頭が出始めていて、もう麻酔しても遅いよ!って。タイミングが間に合わなかったことがあった。そのくらいギリギリまで我慢できるんだよ、私。

 

だから、このボタン式痛み止めもなるべく使わないでいようと思った。けど、そうもいっていられない痛みが、その夜は何度か訪れた。とにかく腰が痛いのだ。湿布を貼ってもらい、腰にクッションを挟んでもらい、出来ることは全てしてもらったけど、そもそもまともに寝返りが打てない。微妙に体の位置を変えることくらいしか出来ない。全身麻酔後の身体はキツイよ、と事前に聞いてはいたけれど、正直こんなにシンドイとは想定外ですよ。手術って、きついことなんだな。よく、手術したんだ~って、ひとはさらりと言うけれど、この痛み、このしんどさ。さらりと言えるレベルじゃない。手術を受けてこられた皆さん、こ、こんなにしんどい思いをされていたのですね…今までそんな風に思ってなかった。ごめんなさい。

 

当然、夜はあまり眠れていない。痛みより、眠れないことがつらかった…。

 

体はいろんな管だらけだ。尿も管から。だからトイレにはいかなくていい。栄養は点滴から。だから食事もとらなくていい。わたしはもう、ひたすら横になっているだけだ。ああ辛い。いつまでこの状態が続くのかな。早く時よ過ぎてくれ…。

 

正直、手術がうまくいったとか、私の身体に何が起こっているのかとか、人工肛門がどうしたとか。もう何も考えられない。無の状態。思うのは、ただ、早く痛みよ消えてくれ。それだけだった。

映画「がんになる前に知っておくこと」を見てきました

新宿のK’s Cinemaと言うところに映画を見に行ってきた。

映画、しかも新宿。

これは今の私には決して簡単なことではない。が、東京では今そこでしか上映されていないから、行くしかないのじゃ!

 

見た映画は

「がんになる前に知っておくこと」

ganninarumaeni.com

 

少し前にSNSで友達が教えてくれてその存在は知ってたけれども、いつからだろう…と思ったもののカレンダーに入力まではしていなかった。直接的に、具体的に教えてくれたのは、なんと高2の長男からのLINE!

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「これ見に行けばいいと思います」となぜか敬語(笑)

それにしても、なぜに長男が?と思ったら、どうやら授業の雑談の中で先生から紹介されたらしい。その日はちょうど池江璃花子選手のニュースの翌日で、その話題からがんの話に発展し、なんでも、その先生はご家族をガンで亡くされたこともあり映画館に足を運んだんだそう。そのうえで、強力に生徒たちに映画をオススメしたらしい。

 

それをすかさず私に教えてくれた長男。グッジョブ!

 

早速調べてみると上映されているのは全国で数カ所。そして新宿では午前10時の回のみの上映であった。ということで、新宿まで久しぶりに出かけることにした。

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この映画館は初めてだった。大塚家具の建物のそばのビルの3階にあり、座席が85席くらいのミニシアターだ。自主制作的な映画の予告編がいくつも続き、それはどれも魅力的だった。

 

いよいよ本編が始まると、1人の可愛い女優さん(鳴神綾香さん)が自らの乳がん疑惑体験を語り、それから彼女が語り部となって自分のがんに対する疑問をいろんな専門家に聞いて歩く、という至極シンプルな内容であった。がんの3大標準治療(手術、放射線抗がん剤)のそれぞれの専門医や、患者サポートに関わる人々、そしてがんサバイバーたち計15人に次々にインタビューをしていく。

 

なるほどこういう映画もあるんだな、というか、がんの伝え方としてこういうやり方もあるんだな…というのが率直な感想。私にとってはとても新鮮だった。

 

だって、言うなれば本当にインタビューをつないでいるだけで、映像的に映えるとかドラマチックとかの要素はあまりなくって(すいませんこんな感想…)。でも、そうじゃなくて。語っている内容にこそ意味がある。語り手の表情に、声に。そこから伝わってくる感情、思いにこそ、内容があるのだ。これは、本で読むのとは全然違う。訴えかけてくるもののパワーが、活字とは全然違うのね。

 

内容としては、一通りのがんについての知識を、様々な角度から、初めての人にもわかりやすく伝えている、と思う。思う、というのは、もう私はすでに初めての人ではなくて、かなり知識を蓄えた上で見たから、「へぇー」というより、「そうそう、そうだよね」とうなずきながら確認する感じ。いわゆる、ターゲットにしている視聴者像とは違うからね(がんになる前じゃない人ですからね、わたし)。本当にがんになる前の人が見たときには、この映画はどんな風に伝わるのかな…とちょっと知りたくなった。きっと、聞き手の鳴神さんの素直な視線や反応が、初めての人の気持ちをとてもよく代弁していたから、初めてがんを学ぶ人たちは自分を彼女になぞらえ、スーッと、話を頭に入れることが出来たのではないかと思う。

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どの話も印象的だったんだけど(3つの標準治療の違いなど、特にわたしが未経験の放射線抗がん剤の話はとても勉強になった!)、最も印象に残ったのは、私が前から気になっていたマギーズ東京のお話。

 

 

がん研有明病院でパンフレットを見て、そのあまりにおしゃれな様子に、いったいこれはどういう場所なんだろう?って興味深々だった施設が、マギーズ東京だ。ここの代表の秋山さんのお話や、そこで支援に携わっている看護師・岩城さんのお話。そしてそれを立ち上げた人の1人であり、元日テレ記者で乳がんサバイバーの鈴木さんの話。この辺りが強く印象に残った。

 

あと、湘南記念病院のピアサポートという仕組み。病院内に相談窓口があるケースは多いけど、ここは、がん経験者が相談相手になるんだそうで。入院・通院問わず、患者さんのよきアドバイザーになっているんだそうだ。

 

そう、それは本当にすごくいいと思う。がんになったら、心の中になんともいえないモヤモヤが発生して、そのモヤモヤがなんだかわからなくて、それを誰に言えばいいかもわからなかったりするんだよね。あまりに近い人に話したら心配かけるし、でも、心の中のモヤモヤはどこかに吐き出したい…。そんな思いは、どんな患者にもあると思う。

 

私もそうだったし。

 

病院で出会ったほかの患者さんも、そうだったと思う。患者はみんな、多かれ少なかれ、話をしたいんだよね。聞いて欲しいんだよね。だから病棟で出会ったひとたちにちょっと話しかけたら、1が10くらいになって話が返ってくることはままあった(笑)。みんな、吐き出したい思いを、たくさん抱えているんだなぁ…ってわかったよ。

 

私の場合は、日記やブログに書くことである程度気持ちを消化していたけど、ブログを書く習慣がなかったり、またその発想もなかったりすると、その思いはどこにやればいいのだろう?ひとり悶々とすることほど、カラダに悪いことはない。(それは、がんでも、がんじゃなくてもだけれどね)

 

そんな人たちを受け止める場所がピアサポートであったり病院の相談窓口であったりマギーズ東京であったりするわけで。とても大事な場所なのに、渦中にいる患者さんそして家族の方々は、そんな場所に頼ることまで思いが廻らない場合も多いのかも知れない。目の前の現実にいっぱいいっぱいで、自分の思いがどうとか、言ってられない局面は多いから。でもふっと一人になったりすると、えも言われぬ思いが、こみあげてくるんだな…。

 

だからこの映画の後半、いわば最も印象に残りやすいパートで、サポート体制の話題が登場したのはすごく良かったと思った。相談する場所がある、1人じゃないんだよってことを、最後にしっかり印象付けてくれた。

 

この映画を見る人はどんな人が多いのかな。

イメージとしては、身近な人ががんになったひと。自分がいつかなるんじゃないかって不安なひと。わたしみたいに、もう発症した人も結構見ているかなぁ。

 

いずれにせよ、がんイコール死、不治の病ではなく、正しい知識を持って向き合えば怖い病気ではないよ!と言うこと。それは、どんな立場の人にもとてもよく伝わったんじゃないかなと思う。2時間ほどある長尺の映画だけど、つくりの誠実さ、まっすぐさが伝わってきて、見るほうもまっすぐに真剣に眠ることなく(笑)がんに2時間びっしり集中して聞くことができる映画だった。

 

帰り際、出口付近にプロデューサーの上原さんがいらしたので、感想をお伝えした。作り手の思いが伝わりました、私もがんサバイバーとしてブログを通してたくさんの人にがんのことを伝えたいんです!と言う話をした。そうだ、せっかくだから一緒に写真撮らせてもらえば良かった…。

 

そして受付で1冊1000円の小冊子を購入した。本編では盛り込めなかったインタビューの内容がぐっと詰まっている本だそうで、これは買わないわけにはいかないでしょう!ということで即決。で、読んでみたら、映画本編以上にこの本は役立つかも!

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やはり文字情報として残るのは貴重。本編のインタビューで話したことプラスアルファの情報が、一部図解入りで載っていたりするし。私が持っているどんながん本とも違う、総合的に見ても素晴らしい本だと思う。映画をみて、この本で復習+知識の補強をしたら、もうバッチリ。

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この映画を見たことで、私が出来ることは何か。私の役割とは何か…を改めて確認することができたような気がする。入院中から、私はがんのメッセンジャーとして何らかの活動をしたいという思いを持っていて、そのためにはがんの専門知識とか医学知識を学ばないと!いまから看護の道へ進む?くらいのことを思っていたんだけど、そういう分野には素晴らしい専門家がたくさんいらっしゃるんだもの、お任せすればいい。私が出来ることは、私にしか伝えられないことを伝え、私が受け止められることをしっかり受け止める役目を担うことだ。

 

奇しくも、がんになる直前に受けて合格した国家資格キャリアコンサルタントのスキル、つまりカウンセラーとしての学びは、ここにつながっているのかも知れない。悩める人の話を聞く訓練はたくさんしたし、私はそのプロとして、カウンセラーとして活動する資格も得た。あとは、やるだけ。行動に移すだけ。

 

私が出来ることはきっとある。

この映画が、私の背中を押してくれた。そろそろ具体的に、一歩前に進まなきゃ。

何が出来るか。自分の中で整理しなきゃ。

 

素晴らしい映画との出会いに感謝♪

 

◆映画のポイントまとめ◆

がんと「共存」するということ

QOL(生活の質というより、“人生”の質)は人それぞれ違う

がんも人それぞれ違う

だから治療方法もみんな違う

標準治療とは:手術、放射線抗がん剤

抗がん剤の専門医は「腫瘍内科医」

玉石混合の情報の中から情報を取捨選択する目をもつこと

※→この話もうちょっと聞きたかった…

緩和ケアは最終的なものではない

こころのサポートいろいろあるよ

がん患者だからといって、がん患者らしくしなくていいんだよ

あくまで自分がどう生きたいか、どうありたいか

 

※新宿での上映は2月22日まで。週末はこの土日が最後…。そのあとは全国を巡回されるそうです。

※新宿は小さな劇場なので整理券制で先着順の入場となります。ぜひ見たい!と言う方は早めの到着を♪

 

 



入院3日目:手術前日。母と会い、家族と会い、あれこれ想う長い一日

2018年8月19日(日)入院前日

 

入院生活3日目。今朝も目覚めたら6時半だった。あまり眠れてないけど、まあすっきり起きられた。検温は36.3度、血圧は118の71で普通。

 

今日は何も食べてはいけない。絶食である。

8時過ぎにマグコロールの濃いめを200cc飲み、その後、じわじわと水様便が来た。

 

9時過ぎに剃毛。処置室に呼ばれ、胸の下などをチェックされ、胸毛はないのでそこはスルー。ビキニ下とおしりをそっておしまい。このくらいの剃り具合でいいんですか?という程度であった。出産のときのほうがもっとハードに剃られたような記憶がある。このくらいなら、ブラジル時代にビキニを着るために剃るくらいのものである。余裕だ。

 

あとは部屋で嵐のワイルドアットハートの動画を見たりした。なぜ嵐か。それは、昨夜眠りにつきながら頭の中にぐるぐる回っていた言葉が「人生一度きり」だったから。嵐の曲で、

 

♫一度きりの人生転ばぬように 笑って泣いて生きていこうぜベイベー♫ 

 


ワイルド アット ハート(通常盤)
 

 

という出だしで始まる、いとうあさこが完コピして踊ってた曲がある。曲名はワイルドアットハート。その曲が頭の中から離れなかったから。ブラジルから帰国してすぐのころ、なぜか嵐にハマった長男がよく歌っていた曲でもある。一度きりの人生、そうなんだよ。思わず歌詞をかみしめる。

 

そして今日、院内テレビカードをついに買った。

各ベッドにはテレビがあるが、差額ベッド代なしの通路側のわたしのエリアは、テレビカードを1000円で買って挿入しないと映らない。テレビはそもそも普段から見ないから別にいや、と思ったんだけど、院内ビデオが非常に興味深くって。それをどうしても見たくなって、テレビカードを買った。

 

で、ビデオがとてもわかりやすくて素晴らしい!充実のラインナップである。「入院にあたって」「転倒防止予防」「床ずれ予防」「全身麻酔手術を受ける方に」というあたりが特に勉強になった。看護師さんに、これはすごくいいビデオですね!というと、見てくださる方少ないんですよ…熱心に見ていただいて嬉しいです、と言われたよ。もったいないなぁ、もっと皆さんに積極的に見せないと。せっかく入院中は時間たっぷりあるんだし!転倒防止も床ずれも、私には関係ないでしょ、と思ってたけどそんなこと全然なくて。手術後は、きわめて慎重に過ごさなければならなさそうだ。ということがビデオでわかったのである。

 

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そういえば朝、給茶機のちかくで少し体操をしていたら、朝食用のお茶を汲みに来た看護師さんがいたので話をした。ここはいつも満床ですか、ときくと、お勤めの方は夏休みを利用して手術される方が多い印象ですねぇ、とのこと。年末年始も病院はあいてるけど、手術はさすがに12月27日くらいまでかな、と。全国から先生が集まるんですよね?と聞くと、研修で来られてる地方の先生も多いんだそう。看護師さんも倍率激しいんですか?と聞くと、いやそうでもないですよ、書類出して面接して…って普通ですよと。ここのみなさんはとても感じがよくて素敵ですね!という話をしたら、その話に参加してきたおばあさんがいた。おばあさんいわく、感じがいいだけではなくて対応がいい、腕がいい、細かいところを見てくれる!とのこと。かなり有明に惚れ込んでいらっしゃる様子。

 

さて、そのおばあさんがまた壮絶であった。何度も入退院を繰り返している。最初は去年の7月、元気だったけど何かの検査でエコーで膵臓にがんが見つかったんだって。糖尿病持ちだったこともあり、いろいろ大変だそう。余命宣告を受けたこともあると。最初、タクシーでワンメーター410円のところで見てもらってたけど、セカンドオピニオンをと思い、手術日がもう決まっていたけれど有明に紹介状を書いてもらって来たんですと。前の病院には言いにくかったけど、紹介状は快く出してくれたんだそうです。そしてこちらに来てからもスムーズなタイミングで進んだのだと。肺血症にもなって死にそうになったこともあるんだって…。体重は30キロも減ったんだって…。どんだけふくよかだったんでしょう…。それにしても今は本当にお元気そうで、何よりである。

 

それにしても昨日から何人もの人から「余命宣告受けてからここにきて良くなった」という話を聞く。ここはすごいのね。そういえば別の患者さんからも、明日手術だという話をすると、「頑張ってね、ここだったら絶対大丈夫よ!」と励まされた。さすがの有明である。そんな風に先輩方から励まされると、とっても心強い。

 

 

午前11時ちょっとまえ。向かいのベッドに新しい入院患者さんがいらした。ご主人をなくして、息子さんが一人いらっしゃるというおばさん。耳が遠いとご自身はおっしゃっている。どこのがんなのかなぁ。まだそこまでの話はしていない。

 

11時、下剤パート2。点眼薬ふうの水薬を水で伸ばして、コップ1杯ほどを飲む。下剤とは言え、2リットルのやつを飲まなくていいのはとても助かる!

 

それからは順調に水様便が出て、いい感じ。夕方まで続いた。

 

12時20分からシャワーを浴びた。ところで、入院前に初めて行った美容室の、あの美容師さんのアドバイスは正解であった。この髪の長さ、とてもまとまりやすい。扱いやすくてよい。もっと短くしなくてよかったのだと、今、納得である。

 

c-calorina.hatenadiary.jp

 

それから、今日はご飯を食べられないので、そろそろ空腹が厳しくなってくる…

 

3時ごろみんなが来るので、2時くらいからずっとデイルームで過ごしていた。Wifiの調子もいいので、PC持ち込んで。葉加瀬太郎の釣りYoutubeとかを見ながら、ブログを書き上げた。いまの気持ち。今日の私と明日の私が違う心境を書いておいた。FBに連携はしないでおく。親戚も見ているからなぁ。無駄なショックは与えたくないしねぇ。

 

c-calorina.hatenadiary.jp

でもこんな日はそうそう迎えることがないから。手術前日の経験は、一生に一度。と、なってほしいけれども。先のことは誰もわからない。

 

そうこうしているうちに妹夫婦が到着。3時15分ごろだろうか。二人とも元気。バイクで二人乗りできたんだと。仲良しで何よりだ。義弟は、義弟らしい励ましの言葉をくれて、嬉しい。わざわざ会いに来てくれてありがたい。妹のサポートをこれからもよろしくお願いします、と伝えるのを忘れてしまったよ。義弟がいるから我が妹がいる。いいペアなのである。なんか今日は見ていてそんな風に見えた。

 

そして3時半ごろに北海道の母と次男と夫が到着した。母が入ってくると、場がぱっと明るくなる。無事の到着で安心した。母の顔を見て、わたしもゆるんだ。

部屋をちょこっと見せて、1階のタリーズへ降りた。今日のデイルームは大混雑で、満席で、にぎやかだった。どのテーブルにもお見舞いの家族がいっぱい。それにしても私は若いなぁ。私より若そうな人を全然見かけないんですけど…。病棟内若さランキングがあったら、今なら私、ここでは一位取れそうな気がするよ。

 

 

タリーズではみんなでいろいろ話して楽しかった。がんって聞いたときどう思った?とかね。まさかね、ってね。こんな風に話していても、なんだかまだ現実味がないような。ここ有明に母がいる不思議。私がパジャマで。私だけがパジャマでコーヒー飲んでなくて…なんなんだこの様子は。不思議すぎる。こんな世界、あるなんて。まだ見ぬ新しい世界である…。

 

タリーズの閉店は17時のようで、店内の後片付けが始まったので解散することにした。妹夫婦と固く握手をして別れた。夫たちのことも見送って、また一人になった。かといって寂しさはないんだよね。この病院の明るい雰囲気に、そして窓からの眺めに、ずいぶん救われているのかも知れないなぁ。病院の雰囲気大事!

 

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さあ、明日は手術。職場の方からいただいた靖国神社のお守りを握りしめてみる。上司からはラインが入った。「頑張ってね!」とメッセージ。そんな風に気にかけてもらえて私は本当に幸せだ。

 

今回の入院で、家族の結束、チームワーク、土壇場の頑張りとか、いろんなことが実を結んでいる。長男は今朝、サッカーの試合だったけど、後半途中出場し、いいパフォーマンスだったらしい。夫曰く。本人はまぁまぁと言っていたけれど。連日サッカー部の練習で出払っている長男には、もう5日会っていないなぁ。会いたいなぁ。私のいない中でも立派に頑張っていてくれてることは、本当に嬉しい。

 

今日は20時以降はOS-1熱中症予防で良く飲まれる、経口補水液。おいしくない…)しか飲んじゃいけないんですって。もう結構お腹すきすぎて辛いんだけど。次に食べられるのは2日後とか、無理なんですけど~な空腹MAXの夜…。

 

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明日は早起き。今夜は眠れるといいな。眠れないだろうけどな…。

手術前日の想い:かわりゆく体と、切られてなくなるわたしの直腸と、がんへのメッセージ

今日を境に、今の私の体がおおきく変わる。

 

今日までの私は、もういなくなると思うと、ちょっとかなり嫌なんだけど。

 

こうしてテクテク何の不安もなしに歩き回れるのも、今日が最後なのかなぁとか。

明日から。明日の手術が終わってからは、全く違う自分に生まれ変わる感じっていうの?

なんかすごく変だよねぇ。がんって、こういうもの?

こういうものらしいね。

 

うん。ここにいるみなさんも同じだもの。いや、みなさんはもっと辛いよ。

だってもっとキツイ宣告を、結構いきなり受けているわけだからね。

 

がん。

なってしまったものは仕方なくて。

これを取らない限りは、もっとよくなくて。

取ってしまうと、体が変わる…

どう転んでも、今の自分ではなくなるのね。

なんだかね…。

 

明日、手術。

 

いままで頑張ってくれてた直腸よ、さようなら。って感じかな。

直腸も気の毒だよね、私の中から離されちゃうなんてさ。それよりも、がんを今まで飼ってたんだから、大変だったね。出血もしたしね。気の毒な臓器だったね。いままでありがとう、です。

 

直腸をなくした私も、きっと辛くなるけれども、葬り去られるあなたも辛いね。

 


そして直腸で発育を続けていたがんよ。その存在を知らしめてくれてありがとう。

早いうちに知らせてくれたことには感謝するよ。これも何かのサインなのかね。

がんが私の中に生まれたことは、何を意味するのだろうか。ほかでもない私の中にできたことと、タイミングと。一体、何を意味するのだろうか。

 

両親がまだ元気で、しかも農閑期で、母が一人で来れる状態で。長男が高2で今年は受験生じゃなくて、次男も中1になってだいぶしっかりしてきて。夫が仙台単身赴任っていうのがちょっと不便だけれども。横浜の義父母も元気で、我が家へのサポートが可能な体制。しかも今は夏休み。このタイミングの良さには我ながら感心する。このことも、何か意味があるんだろうな。最短のスケジュールで手術が出来たり、がんがステージ1だったり、そういうことも全部。何か私に課せられた何か…があるのね。きっと。

 

絶対元気になって、大腸がん予防の啓もう活動とかをやるんだ、私。きっと私に課せられた使命は、それ。伝えることが、私のミッションだと思うんだ。

だから絶対、元気になるんだ。

有明から始まった、ベートーヴェン交響曲5番「運命」byコバケンさん

今日は久しぶりに池袋へ。

東京芸術劇場で開かれる、読売交響楽団のコンサートを聴くために。

 

人工肛門閉鎖の手術を受けた11月末以降、めっきりお出かけの回数は減り、平日の会社勤めも在宅勤務を認めていただき、ほぼほぼインドアな生活をしております…

が、交通手段や時間帯を選べば、お出かけは可能。

都心へ出るときは、JR東海道線や湘南新宿ラインが強い味方。なんたってトイレ付きの車両がありますからね♪

自由自在にコンビニトイレに立ち寄れる自家用車での移動もオッケー。逆に絶対ダメなのは、高速道路での大渋滞とかですね…。

 

そのあたりの事情はまた別の記事で詳しく書くとして(なぜにそこまでトイレにこだわるのか?の話ね)。

 

今日は素晴らしいコンサートのお話です。

第214回土曜マチネーシリーズ

指揮=小林研一郎

ヴァイオリン=タムシン・ワリー=コーエン

ウェーバー:歌劇「オベロン」序曲 

チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35 

ベートーヴェン交響曲 第5番 ハ短調 作品67「運命」

 

 

 

もうね、どなたが聴いても素晴らしい、超有名なジャジャジャジャーン♪のベートーベンの運命ですが(上の動画はカラヤン指揮のものをお借りしました。コバケン指揮が見当たらないので…残念)、指揮者・演奏者・そしてホール(もう少し言うと座席の位置)が素晴らしいと、ここまで心震え、魂を揺さぶられ、感動の嵐に包まれるものか…と。書いていて恥ずかしくなるくらい月並みな感動表現なのですが(笑) でも本当に。マイ・ベストオブ・クラシックコンサートだねこれは、と断言できるくらい、良かった。

 

本当はがんブログじゃなくて、「人生楽しく軽やかに」のほうに書くべきネタなんですけれども、今回のコンサートのきっかけは実は有明だったのでね。こちらに書くことに。

 

きっかけは1冊の本との出会い。

何度かこのブログでもご紹介した通り、私が2度入院したがん研有明病院は、ちょっとした図書館と呼べるくらいに蔵書が充実していて。小説からビジネス書、写真集にマンガ…と、毎日飽きることなく本を読める環境があったわけですが、入院している患者さんはもとより、長長い手術中の待ち時間を過ごす家族や付き添いの皆さんにも大変よろこばれています。

 

本好きのわが夫ももれなく有明の本のとりこになり、かねてから読みたかった小説(「コンビニ人間」とか「コーヒーが冷めないうちに」)などを次々に読み…

 

彼は音楽好きもあって、ピアニスト小山実稚恵さんのエッセイ


点と魂と スイートスポットを探して

とか、指揮者の小林研一郎さんの本を見つけ、大喜びで読んでいたのでした。

途中から、アナタは私のお見舞いに来ているのか、本を読みに来ているのか?もはやわからなくなるくらいに(笑)

 

そう、小林研一郎さんの本。


小林研一郎とオーケストラへ行こう (旬報社まんぼうシリーズ)
 

ちょうど半分くらい夫が読んだころに、私の退院の時が来てしまい、読み切ることなく有明を出ることになり…。続きは買って読もう!となった次第でした。夫が、これはすごく面白くていい本だから、買う価値がある!と力説するのでね。退院のその日にメルカリで見つけて早速買いました。(そしたらなんとサイン本だったという…出品者様、よくぞ手放されましたね!どんだけ断捨離?(笑)

 

わたしはまだ読めずにいたんだけど、そこでインプットされた小林研一郎さんの名前。恥ずかしながら、その時まで存じ上げず。でも夫がそこまで絶賛する本を書く指揮者さんなら、タダ者ではないはず…と、ずっと頭に残っていました。

 

それからしばらくして、会社の福利厚生の一環で毎月コンサートや演劇など文化公演系のチケットが抽選で特別価格でご招待、というやつに「読響 指揮:小林研一郎」の文字を発見。これだ!

 

早速チケット2枚を応募してみたら、見事当選しまして。S席をお得な価格で購入することができ、念願のコバケンサウンドを楽しめることに…。

 

いつもなら指揮者の名前でチケットを買う習慣はないのだけれど、この時はもう、演奏曲は二の次で指揮者ファーストでしたね。

で、演目を見ると、「運命」ですからね。みんな大好き「運命」ですよ。ええ、私ももちろん大好き。なんてラッキーな偶然なんでしょうねぇ。

 

そして私も本を読み、

うん、確かにこの本はとても良い!

これ1冊あれば、クラシック音楽のだいたいのこと・オーケストラのだいたいのことがわかるよね、という良書です。そしてコバケンさんのお人柄がにじみ出ていて、ものすごく音楽が好きで、作曲家のこともよく理解していて、尊敬もしていて、演奏家に対する思いなども素晴らしくて…。文章もとてもいい。これ読んだら絶対コバケンさんのコンサート聞きたく(いや、見たく?)なるよね、って本でしたね。(残念ながらkindle版はないのですがね。最近愛用しているaudiobook.jpにもなかった。こういう音楽がらみの本こそ、音声版で、ところどころ実際の曲も交えて「耳読」できたら最高だと思うのですがね~)

 

このようにしっかりと予習をして臨んだ今日のコンサート。思い入れもたっぷりだから、感動しないわけがないですよね。

 

この先もあまりに長文が続くので(そして有明とはかけ離れた音楽ネタになっちゃうので)、続きは別ブログに上げました。こちら↓

 

calorina.hatenablog.com

2019年は朝陽と夕陽と共にスタート…新年のご挨拶。

新年あけましておめでとうございます。

 

夏にこのブログを始め、非常に個人的なわたしのがんストーリーをつらつらと綴ってまいりましたが、思いのほか多くの方に読者になっていただき、本当に感謝感謝でございます。いつも読んで下さり、励まして下さる皆様、本当にありがとうございます♪

 

本来なら、年末に一年のご愛顧を感謝申し上げるべきところでしたが、なんだかね、1年を振り返るとどうしても夏以降の大変だったことが強めに出てしまって。それはそれ、お礼はお礼、なのですが。なんとなく私の2018年は、年末にあらためて振り返ることがちょっと難しい年でした。

 

というわけで!

 

新しい年。2019年。

心機一転、今日からまたブログを書いていきたいと思います。

 

それにしても恐ろしく年末年始感のない今年の年越しでした。

なんでだろう。

大げさなイベントもなく、年越しそばもおせちも準備することなく(年越しそばは、はじめて外に食べに出ちゃった。おせちはいつも義父母にお任せしちゃっているダメ嫁…)。

淡々と時が過ぎ、いつの間にか紅白を見ていて、ゆく年くる年が始まって年が明けていた。

そんな感じでした。

静かに、時の過行くままに…。そんな感じで2019年がスタートしました。

 

それでも、有明入院生活以降、朝陽夕陽フリークになってしまった私は、初日の出・初日の入りだけは見逃せまい!と、元旦の朝6時過ぎ、愛犬を連れて散歩がてら近所の日の出スポットへと向かいました。ひさびさの日の出…

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海の上にかかる雲の隙間から、あかあかとしたオレンジの太陽が見えた時はやはり感激しましたね。

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そのオレンジはすぐにまた雲に隠れてしまったので、本当に数分間のことだったけれど、だからこそありがたくもあり。一年最初の日の出に、自分が住む街・横浜で出会えたことに心から感謝です。

(もしかしたら2回目の手術は、ちょうど年末年始の頃かも…と、夏には思っていたのでね)

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そして、新年初夕陽です。

 

元旦の午後3時過ぎに羽田空港に着く飛行機で、北海道の実家から帰ってくる次男を迎えに、空港に行くのがここ数年の恒例となっていまして。

 

無事に戻ってきた次男と再会し、空港でブルーシールアイスクリームを食べさせたりしていると着々と日の入り時間が迫ります。

車で首都高湾岸線を通って横浜に向かう時、ドライバー泣かせのまぶしい光が真正面から迫ってきます…。

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本当に見事な夕陽。

朝は雲に隠れていた太陽も、一日の仕事を終えて沈むときには、全身を真っ赤に照らして。堂々と姿を現してくれました。

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この夕陽を見て思わず私は有明を思い、泣けてくるのでした。

いま、この時間に有明で闘病している仲間たちを思い。

かつて有明の窓辺で、沈む夕日を見ていた自分を思い出し。

 

朝陽と夕陽の時間は、わたしにとって特別な時間になってしまったみたいです。

そんなわたしの2019年の幕開けは、やはり、印象深い一日となりました。

 

太陽を味方にして。

今年は去年よりいい年に!

明日は今日よりいい日に!

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2019年も、よろしくお願いいたします。

2回目の入院を終えまして。

無事に2回目の手術を終え、昨日、退院しました。

 

1週間ぶりの我が家は、やっぱりいいですね。何がいいって、日中、息子たちが学校に行っている間はもう完全にフリーダム♪

好きな時間にテレビ見て、好きな曲を大きな音でかけて、好きなマリアージュ・フレールのマルコポーロを飲んで…

 

誰の目も気にせず、好きなように自分の時間を使える。このかけがえのない時間は、本当にありがたいです…。

 

がん研有明病院・消化器外科病棟での入院生活も悪くなかったけど、やっぱり、病院の中は集団生活。マイペースなB型の私も(笑)さすがに多少は気を使って生活していたわけで。夜もぐっすり眠れたとは言い難かった。それが、昨夜は自分のベッドで爆睡しました。ノンストップで、夜中一度も起きずに眠れたのは、実に1週間ぶりであります。

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ところで、

 

このブログでは、まだ1回目の夏の入院編まで日記が追い付いていませんので(筆が遅くてすみません~)、読者の皆様には

 

「このひとは一体、直腸がんというけれど、どの程度の、どんな治療をしているのだろう???」という疑問がまだまだ山積していることと思います。すみません。

 

とりあえず一つ言えるのは、

今わたしは、予定されていた治療をひととおり終え、元の身体に戻すため、ぼちぼちゆっくりと自宅でリハビリしている最中です。ということです。

一応、ひと段落つきました、と言えます。

 

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大好きなマルコポーロをおうちで飲むシアワセよ…

 

がんの治療法は、そのひとのがんの状態によってそれこそ千差万別で、本当に、誰の体験記も自分には当てはまるものがないんですね。そりゃあそうです。人の顔は全員違うし、人の身体も全員違う。そして、がんも、みーんな違います。

 

同じ直腸がんであっても、その部位の微妙な違いや、腫瘍が臓器のどこまで入り込んでいるか(浸潤:しんじゅん)の度合い、そしてがん自体の性質は、みーんな、違うんです。

 

ですから、わたしの体験は、あくまで一つの例としてみていただきたいし、今朝のあさイチ内田春菊さん(直腸がんサバイバーの大先輩)の体験も、あくまで一例ととらえていただきたい。

 

おかげさまでわたしの中にいたがんは、それほどタチの悪いヤツではなかったようで、今のところは転移もなく、見えなくなっています。今のところは、ね。

と言うのは、目に見えない、つまり各種精密検査では目視できない細胞レベルのがんは、いま私の中にいるのかいないのか、どんな名医であっても読めないのです。

 

まぁ、それはそれ。

見えないものは、しょうがない!

いまはとりあえず見えないんだから、ヨシとしましょう。うん。ヨシとするしかない。

今後のことはあまり深く考えず、とにかく、「いま」が元気で幸せでいいじゃない♪

そういうスタンスで、今後も生きていこうと思います。

 

こんな私ですが、引き続き、がんストーリーにお付き合いいただけましたら幸いです。

(過去日記からさかのぼってお読みいただくには、右の一番下にあるカレンダーで、7月、8月を表示して日付をクリックしていただくのがよろしいかと思います。ゆくゆくはもう少しリストを見やすくしたいと思っていますが…取り急ぎ、その方法でよろしく願いします。)