がんストーリーは突然に~46歳、働き盛りの2児の母による大腸がんブログ~

2018年夏、元気印の働く母が突然がん患者になっちゃった…入院そして外科手術を経て、まだまだ続くがんストーリーを綴るブログです。

初対面の方にはできても、旧知の友にはできなかったカミングアウト

2018年8月4日(土)

 

今日は土曜日。前から予定していたキャリコン養成講座の卒業生勉強会が川崎で行われる。楽しみにしていたので予定通りに行く。駅までは車で夫が送ってくれた。相変わらず過剰にやさしい(笑)でもありがたい。暑いからね…。

 

勉強会は13時から16時まで。例会のように過去何度も開催されていて、初参加の人は私を含めて4人ぐらいいたけれど、皆さん私より2期か3期もしくはそれ以上、上の卒業生の先輩方。どうやら毎回お二人ずつ発表をし、それについて皆で意見交換をすると言う会のようだった。

 

お二人の先輩方の発表を興味深く聞き、その後は一人一人近況報告。自己紹介を兼ねて順番が回ってくる。皆さんそうそうたる面々であった。大企業の人事部の方、講師歴17年の華やかな女性、人材会社の経営者の方などなど…全部で14名位いらしただろうか。さぁ私の番となったときに、今の職場での話をしつつ、これからキャリアコンサルタントとして自分がやりたい事は…「もったいない人」を少しでも減らすこと、と言う話をした。そしてなぜか、ここで今カミングアウトしたくなった。本当は朝から迷っていた。入院・手術の話を今日しようかどうしようか。でも話し出していると、話したくてどうしようもなくなってきた。

 

自分には今、転機が訪れている。実は今月下旬に手術をすることになった、と語り始めた。言ってしまえば大腸である、と。検査をすれば見つかるものだから、今ここで私の話を聞いた方は必ず大腸内視鏡の検査を受けてほしい!と熱く伝えた。どうしても大腸の話を自分でするときは、みんな検査を受けて!という論調で締めくくってしまう。だって私がカミングアウトする理由はそれしかないから。

 

その会場内で過去に大腸内視鏡検査を受けたことがあると言う方はたった3名しかいらっしゃらなかった。やっぱりね、そのくらいの受診率なんだ。もっともっと啓蒙活動をしていかないといけない。私みたいに、がんが大きくなってて手術をすることになっては遅いのだから。

 

皆さんさすがに多少ひいていたような様子もあったけれど(苦笑)、同じ養成講座で学んだキャリアコンサルタントの皆さんだし、ここは守秘義務が守られる安心安全の場だから…とついつい甘えて話してしまった。それは、よかったんだか悪かったんだか…。私の心は、話したことですっきりしたことは確かだ。

 

その後、何人かの方と個人的にお話しすることができた、お母さまも大腸がんだったけど手術後5年たった今もぴんぴんしていらっしゃると聞いた。私の熱弁を真摯に受け止め、必ず検査受けます、ありがとうとお礼を言ってくださる方もいらした。そして、手術への激励、また帰ってきてねと温かい言葉をいただいた。本当は全然自分でもがん患者の気分ではないし、相変わらず元気なんだけれど、こんな風にみなさんに言っていただけると、嬉しい反面、あぁやっぱりみなさんからは私はがん患者に見えているのだろうか…と思ったりもする。

 

そんなこんなで5時近くまで話は盛り上がり、名残惜しい気持ちで皆さんと別れた。

 

6時半からは、ブラジル駐在時代を共に過ごしたご夫婦がサンパウロから一時帰国しているので、夫と4人で食事会。かなり久しぶりに会うふたり。相変わらず若々しくて素敵なご夫婦である。そしてみんなよく飲み、よく食べる!(日本の食べ物はなんでも美味しいんだよね~♪)

 

そういえば私がいつもの調子で飲まないので二人とも不思議がっていたから、実はちょっと手術をすることになっていて飲めないんだ…と言う話をした。この場ではさすがに、具体的にどこがどうなったと言う話は出来なかった。これからまた遠い国へ帰るふたりに、余計な心配はかけたくないからね。久しぶりの今日は、ひたすら楽しい飲み会で終わりたい。

 

帰り際にはお大事にと言われた。そうだよね、手術を受けるわたしは、れっきとした病人だよね。こんなに元気なのになぁ。本当に変な感覚だ。

 

今日の私は白ワインを一杯だけ飲んで、他の3人はびっくりするぐらいぐいぐいとグラスを開けていた。自分が飲まなくなると、他の人の飲みっぷりに驚かされる。自分だって同じペースで今まで飲んでいたのにね!そして意外と自分が飲まなくても、飲み会の場では平気だと言う事を改めて感じた。飲まないと、頭もすっきりしているし体も軽く、楽な気がする。

 

帰りは急な石段を登って歩いてゆっくり帰った。夜になると少しだけ涼しい。ふたりと次に会えるのはいつかなあ。サルバドールの話もたくさんできて楽しかったな。がんの手術前には、もともと予定されていた人とは会いたいし、予定されていたものには出席したい。だって…あの検査さえしていなければ…わたしは全然いつも通りのわたしなんだから。元気なわたしには変わりないんだから。(でも、がんであることも事実、なんだよね…)

 

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