がんストーリーは突然に~46歳、働き盛りの2児の母による大腸がんブログ~

2018年夏、元気印の働く母が突然がん患者になっちゃった…入院そして外科手術を経て、まだまだ続くがんストーリーを綴るブログです。

今さら遅いよ、なんて言わないで~今からでも間に合う、がんリスクを高めない生活

私がこのブログを通して伝えたいことは3つありまして。

 

1.自分の中にいるかもしれないがんを、できるだけ早く見つけてあげて⇒つまり、おしりカメラを一度はやって!

2.がんを必要以上に恐れないで⇒私みたいに、手術して元気復活できる場合だってあるよ!

3.今更なんて言わないで、できる予防は今からでもやろうよ⇒がんリスクを高めない生活に、あなたも変えられるよ!

 

まとめるとこういうことなんです。

 

1.については、40歳以上は大腸内視鏡検査(私が勝手におしりカメラと呼んでいるけど、正式にはコレ)を受けてよ!とすでにしつこすぎるほど書いてまいりました。

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2.については、がん発見当時から毎日書いていた自分の日記を、少しずつ時系列でアップしています。今はまだまだサワリの部分ですが、実際にどんな術式が行われ、術後はどんな感じになるか、そして退院後の生活はどうなるのか…ということを書いていきます。これは、現在がんの疑いが出ていて不安でたまらない人や、身近な方ががんとわかったけど側でどうやって支えたらよいか困っている人、そして実際に大腸がん闘病中の方にも、私の経験が何らかのお役に立てますように~との思いで、書いていきます。

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そして3.については、今日からぼちぼち書いていきます。ある意味、このことはがんだけじゃなくて、三大疾病:「がん(悪性新生物・上皮内新生物)」「心疾患」「脳血管疾患」の予防にもかかわることだと思われます。1と2は、私がかかった「大腸がん」にフォーカスしていますが、3は、もはや日本人全員に伝えたい内容と言いたい。

 

ということで、まずは「がんリスク」って何?ということから始めます。

がんの原因は「コレ!」とずばり診断できるものではないですが、「こういうことをすると、がんになる確率が高まるよ」というものが「がんリスク」と言えるかと思います。

 

さて、こちらの表。見たことあるわ!という方もいらっしゃるかと思います。

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国立研究開発法人 国立がん研究センター 社会と健康研究センターの

予防研究グループというところが出している

エビデンスの評価 | 科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究 | 国立がん研究センター 社会と健康研究センター

によるマトリックス図なんですが、

 

縦軸にリスク要因、横軸にがん発生部位が現されていて、

たとえば上から3つ目の要因「飲酒」は

赤く「確実↑」となっているマスに該当するがんは、

「酒飲みはその部位のがんになりやすいよ!」と言っているようなものですね。

 

赤いマス、見てみてください。

・全部位

・肝

・大腸

・食道  

この4つが赤くなってますね…

 

はい、私は酒飲みですが。まんまと大腸がんになってしまいましたよ!

 

このようにリスク要因別に横に見ていくのもいいですし、

私のように「大腸がん」に絞って、縦軸に注目するのもいいですね。

 

大腸がん(このうち私の場合:直腸がんの場合)の赤いマスは、

・飲酒 ただ一つだけ。

ほかの要因は、

・肥満 オレンジで「ほぼ確実↑」となっている。

・糖尿病と関連マーカー というのは、黄色で「可能性あり↑」

うん、この2つは私には該当しないな。体脂肪率は30%近いけど(苦笑)BMIは21くらい。確か24を超えると肥満度1とか?だったよね?

 

しかし注目すべきは、食品の欄にある

・肉 のうち、「(加工肉/赤肉)可能性あり↑」となっていることです…。

 

がん発生部位は数あれど、「加工肉/赤肉」が黄色になっているマスは、

われらが大腸がんだけなんですよ!!!

 

がんの発生要因:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

ここにも、「リスクを上げるもの」の筆頭に、しっかり加工肉/赤肉と書かれてます…。

 

世の肉食系の皆さん、そんなこと知ってました?

わたしは、今年の3月まで知りませんでしたよ…。

ちなみに私は結構な肉食系でして。好物はカツカレーと言い始めたのは22歳の時でした。トンカツが特に好きでねぇ。うまいトンカツ屋があると聞けば、西船橋まで食べに行ってましたね…。

 

そんな私に「加工肉/赤肉が大腸がん発生リスクとなる」ことを教えてくれたのは、勝間和代さんだったんです。意外なとこから来るもんですね、自分に有益な情報とは。

 

そのころ私は、ひょんなことから勝間さんの私塾である「勝間塾」に入り、毎日勝間さんから届く「サポートメール」という名のメルマガを読んでいました。これは勝間さんが毎週一つのテーマを選んでメールで自論を発信し、それについて自分はどう思うかを考えたり、また文章にして表現したり…という活動なのですが。

 

入会して間もないころのテーマが、「食の安全」的なものだったんですね。勝間さんと言えば経済評論家という肩書ですから、なぜに食???という感じだったのですが、そこではアメリカの食肉の大量生産の現場の話とか、食品業界に潜む闇だとか、経済にも絡む食の問題が紹介されていたわけです。

 

そして関連するアメリカのドキュメンタリー番組を紹介してくれたりもするんです。

たとえばNetflixの「食の真実」とか…

「健康って何?」とか…

 

 

それらを見ていると、もうね、添加物だらけのハムとかベーコンとか、

アメリカ産の安い牛肉とか、食べてる場合じゃないよ!という気になるんですね。

大腸がん云々は別としても。

 

それからの私は、ささやかな変化ではありますが、以下のことを実践しはじめました。

 

◆牛肉は食べないぞ!食べるにしても産地は吟味するぞ! 

◆ハム・ベーコンは添加物が極力少ないやつ(高いけど)を買うぞ!

◆シュガーフリー(砂糖抜き)

休肝日をちゃんと設けるぞ!

◆PBWF(Plant Base Whole Food:つまり丸ごとの食べ物、植物性かつ、加工していないもの)を食べるよう心掛けるぞ!

いずれも、勝間さんの教えによるものでありますが…。

 

まぁ、それまでも牛肉やハム・ベーコンを大量に食べていたわけではないですがね。

 

ただ、ブラジルで暮らした2005年からの7年間は、間違いなく牛肉をたくさん食べていました。だって主たる肉が牛なんだもん。シュラスコ国民食みたいなもんだったし。

(じゃあブラジル人はみんな大腸がんリスクが高いのか、ってことになるとそうではなく。もともと肉をあまり食べなかった日本人にとって、食の欧米化=肉食というのが、どうも体質に合わないんじゃ?という話ですね)

 

勝間塾以来、そんな風に食にはかなり気を付けていたのに!

もう遅かったのか?

3月からじゃ、わたしのがんには、手遅れだったのか…。

 

いやいや。そうは思いませんでしたよ。

3月からの食生活改善により、がんの発育スピードを遅らせることは出来たのでは?と思ってますよ。

 

あのまま何も意識せずに、毎日ワインを飲んで、安い牛肉を買って食べていたら…

がんのステージがもっと上がっていたかも!

(結局私は直腸がんのステージ1ということで落ち着きまして。初期がんで済みました)

 

だからね、これを読んでいる皆さんも、

「もう今までさんざんお酒飲んでるし、ステーキも食べまくってるし、食生活改善とか今さらだよねー」なんてことは、ないと思うんです。

もちろん、いくら食べても飲んでも一生がんにならずに済む人もいるのは事実。

実際はもともとの体質とか遺伝とか、そういう面が大きいんじゃないかな、とは私も思う。

 

でも、これだけ公的に「がんのリスク・予防要因」が発表されているんですから、

がんになりたくない!って思うなら、

一つでもリスクを減らすように生活を変えればいいよね、と言いたいんです。

 

生活を急にガラッと変えるのは誰だって大変なことだから、

まずは、このマトリックス図を冷静に見つめ、

「そんなことがリスクにつながるのね!」とまずは知ることから始めていただきたいんです。

そして、気になることがあるのなら、1日0.2%の改善で1年で2倍の改善になるから(BY勝間さん)、ぜひ今日より明日、0.2%の実践をしていただきたいんです。

 

ちなみにですが、

 

一度がんと診断されると、結構つらい日々が待っていますよ。

なんせ、がんと診断される前の自分とは、体も心も違うものになっちゃうんですからね。

がんになってもいいからお酒もタバコもお肉もガンガン行くぞ!と言うような方は、

このようなブログを読むこともないと思いますけど(苦笑)

 

もう少し強調しますが、

 

一度がんと診断されると、

逆に、

お酒もお肉もガンガン行けなくなっちゃいますからね。

(別にがんになった後は禁酒・禁肉 を医師から命ぜられたわけではないですが、再発が怖いから、私はもうガンガンとは行けないですね…)



だからこそ声を大にして言いたい。

食べること・飲むことを愛する同士たちにこそ、

その食べ方・飲み方を振り返ってみてほしい。

 

これから先も、美味しく楽しく食べたり、飲んだりするためにも、ね!

酒好き・肉好きがんサバイバーからの心からのメッセージです。




要精密検査の人の何割が実際に大腸がんなのか?専業主婦・フリーランスこそ要注意!

私の自覚症状は微妙にあったものの、直接、大腸がんが発覚したきっかけは「勤務先が毎年1回受けなさいと強制的に予約を取ってくれる健康診断」での要精密検査判定、でした。(その記事はこちら)

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私のようなルートで大腸がんがわかるケースって、やっぱり主流なのかしら?

 

日本対がん協会が2016年度に全国の支部で行った大腸がん検診の結果では、検診を受けた人のうち6%が要精密検査と判定されたとのこと。そのうち、実際に精密検査を受けた人、つまり大腸内視鏡検査を受けた人は69%。ということは、精密検査と言われたのに受けてない人が3割もいるのね…。忙しくて受ける暇がないのかしら。それとも、自分は大丈夫という確信がおありなのかしら。それとも、がんではなくて痔だ!という確証がおありなのかしら…。せっかく身体のサインが検診によって現れ出てくれたのに、おしりカメラやらなかった3割の人って本当にもったいない…。

 

さて、

精密検査を受けた人の中で実際にがんだった人は、どのくらいいると思います?私はなんとなく3割くらいいるんじゃ?と思っていましたが、なんと!わずか3%なんですって。100人のうち3,4人だけですよ、要精密検査でおしりカメラを受けてがんが見つかった人って!

 

(参考資料:公益財団法人 日本対がん協会のウェブサイト「検診の意義と目的」より)

(ちなみに同協会実施の大腸がん検診は、主に市町村に申し込みをするタイプのようです。会社の健康診断とは違うルートのようです。)

 

100人に3人…?

私ってそのうちの一人ってこと…?そんなにレアケース?

 

でもですね。

日本人に一番多いがんが大腸がんで、生きているうちにがんになるのは日本人の二人に一人って言われているんですよ。

それなのに100人に3人って、数字としておかしくない?

 

私はそんな風に感じましてね。大変少ないサンプル数ではありますが、がんの手術で入院中、私の周りにいらした他の患者さん5人に聞いてみたんですよ。みなさんのがん発覚のきっかけを。

 

するとね。私のように「自分自身が勤務する会社の健康診断:つまり毎年強制的に受けるやつ」で見つかって大腸内視鏡検査をして発見された、という人はひとりもいなかった…。

 

ではどうしてがんがわかったのか?

 

その1:パート勤務だから会社の健康診断というのは受けられなくて。なんとなく今年はじめて夫の会社の配偶者検診を受けてみたら、便潜血検査で陽性が出たので精密検査を受けて発覚した。自覚症状なし。(50代女性)

 

その2:今まで検査系は全然やったことなかったから(仕事は接客系のパート)、50も過ぎたしそろそろやらなきゃと思って半日人間ドックみたいなのを受けて大腸内視鏡検査をやったら発覚した。自覚症状なし。(50代女性)

 

その3:排便のたびにすごく出血して、これはおかしいと思って受診したらがんだった。すでにステージ4だった。ちなみにこれまで検査らしい検査は受けたことなどなかった。(50代男性)

 

その4:持病があって定期的に血液検査を受けていたところ、ある時から「貧血」であるという数字が出て、特に貧血の自覚症状もないからおかしいと思ってエコーを受けたら、大腸にがんがあり、そこから出血していたらしい。(70代女性)

 

その5:今年から区の検診で便潜血検査が受けられるようになったからやってみたら、要精密検査となり、大腸内視鏡検査をやったら大腸にがんが見つかった。自覚症状なし。(70代女性)

 

…と、まぁ、こんな状況でありました。直接のきっかけが検査と言えば検査だけど、会社の強制ではなく自ら受けているところがポイントですかね。自覚症状がないのに大腸がんだった!という人がとても多いことにも注目です。(事例が5つしかありませんが)

 

大腸は痛み神経がない臓器らしく、ポリープを切除されても、がんがこすれて出血しても、痛くもかゆくもないんですって。だから、初期症状がわかりにくいのも納得ですよね。

 

そしてそして。

上記5人のケースでお気づきのことありますか?

女性の50代、お二人が「パート」勤務で、会社の健康診断は受けていないんです。

 

ご主人の会社から配偶者検診のチャンスが与えられている方はまだいいかも知れません。そうでない場合、たとえばご主人が自営業だったら?専業主婦だったら?フリーランスだったら?

 

つまり強制的に毎年受ける「会社の健康診断」がない状態の人の中に、もし大腸がんが存在していたとしたら…。どうやって発見します???

 

これはもう、ご自身が意識を高めて、自らの判断で検診を受けに行くしかないですよね。区から送られてくる40歳以上対象のがん検診のお知らせを見逃さず、ちゃんと自分でクリニックに予約を入れて。やるしかないんですよね。

 

ちなみに、どのくらいの人が検診を受けているかの年別グラフ・男女別はこちら。

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(出典:「国民生活基礎調査」から推計された国および都道府県別がん検診受診率のデータ

より。)

 

実は私もおととしまではフリーランスで働いていたので、検診は自分でなんとかするしかありませんでした。夫の扶養に入っているときは、配偶者検診を受けましたが、扶養を外れてからは自分で受けるしか…なのですが、恥ずかしながら大腸は受けてなかったなぁ。婦人科系は受けてましたが。なぜか大腸はスルーしてた…。

 

まぁ、そもそもおととしの段階で便潜血検査を受けても、どうせ陽性にはならなかったでしょうけどね!がんが小さすぎて。検査の時にちょうど出血してくれるとも限らないしね。

 

ということはやはり、区の検診でも不十分で、おととしの段階でおしりカメラを自費で受けとけば良かったのか…という話になりますね。でもありえないな、おととしの自分が自費で内視鏡は…。だってしつこいけど超元気体質だし!

 

(もっと言うと、おととしは、某ワインバーでランチタイムのパート勤務をしていたんですよ、私。そこでは毎月、パートも全員、便を提出しなきゃならなくて。でも、その便で調べるのは「赤痢」「サルモネラ」「O157」など食中毒に関連する菌の有無なんですよね。便潜血は調べないんですね…。残念。

便は毎月調べてもらってるから大丈夫!という変な安心感も、おととしはあったかも知れませんね、私の中に。というわけで、飲食店勤務の皆さんも、油断は禁物ですよ)

 

でも、そんな私にも「がんがいた」わけですから。

いま超元気体質だと思っている方も、もしかしたら…

他人事じゃないかも知れませんよ!

 

すみません。しつこく何度も脅しをかけて(笑)

 

なぜこんなに私がしつこいのか。

それはひとえに、「がんが超小さい初期の段階で発見してあげてほしいから」

これに尽きます。

 

見つけてあげてください。自分の中でひそかに発育中のがんがもしいるとしたら。一日も早く内視鏡で見つけてあげて欲しいのです。

他人事じゃないのよ癌は~自覚症状がなくてもがんが存在することもある~

昨日の3連投記事にも多くの方にお付き合いいただきました。ありがとうございます。

はてなスターというしくみがあるようでして、いつの間にか何個も☆をいただいておりました。フェイスブックのいいね!的なものだと認識しております。応援してくださる皆さま、ありがとうございます♪

 

ということで、今日も張り切って記事を書いております。

 

さて本日はBGMは明菜ちゃんでお願いしますよ。80年代を共に駆け抜けたベストテン世代の皆さまにはもはや説明はいらないですね。ヒット曲「飾りじゃないのよ涙」にちなんで、本日のブログタイトルをつけていますよ。

 

昨日は大腸がんの自覚症状とか、初期症状について詳しくご説明したのですが、

「ああ、そういう症状は出てないから、私は大丈夫だわ大腸がんは!」と思われた方も相当数いらっしゃることと想像します。

 

でもですね。脅すつもりもないんですけどね。

目に見える初期症状がなくても、大腸がんだった!というケース。あるんですよ実際に…。

 

こちら、私がこの5月に受けた会社の健康診断の結果をお恥ずかしながら晒させていただきますが。

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(胃炎はいつものことなのでスルー願います)

 

便潜血検査の欄にご注目ください。(中央あたり)

今年(今回)の結果が(+) つまり陽性となっていますね。これは便の中に潜む血ありということ。

 

しかし注目すべきはその下の(前回)の結果です。ほらほら、(-)になっているでしょ。

去年の5月には便潜血はなかったということですよ。

 

でもですね、私のがんの大きさ(約3センチ)をかんがみると、先生曰く、「3年前くらいからがんの発育が始まったであろう」とのことでして。このことから、

おそらく、私の大腸がんは1年に1センチくらい発育すると見られます。一気に1年で数ミリが3センチまでサイズアップすることは考えられません。

 

すると、去年の検査時には、すでに2センチ近いがんが私の直腸に存在していた、ということになりますね。数学苦手な私にも簡単に計算できますね(笑)

 

それでも、便潜血検査は(+)陽性にはならなかったんですよ去年は…。

そういうもの、なんですね。健康診断の検査って。便潜血検査って。

出るときは出る、でも、出ないときもある。

特に1~2センチレベルという、初期の中の初期がんだと、毎回出血するような状況ではないのかも知れませんね。

 

がんがあっても健康診断で要精密検査って言われないのかいっ!

去年の検査は何だったのよ!

 

…と思わず叫びたくなるところですが、健康診断の結果って、そういうものだそうですよ。

芸能人で若くしてがんで命を落とされた方の中にも、いらっしゃいましたよね。検査では見つからなかったのに、進行していて強い症状が出てから調べたら、末期だった…などという辛いケースが。

 

じゃあ、どうしたらいいのよ!

身体からサインも出なければ、どこも痛くもかゆくもない。検査でもシロ。

だったら、どうやって初期がんを見つけろというのよ!

 

はい、だから「おしりカメラ」をやろうよキャンペーンを私は大々的にやりたいのですよ。

大腸内視鏡検査を一度やってみれば、便潜血検査にすら出てこないレベルの初期がんだって、カメラがきれいに映し出すんですから。

一度やってみて、がんが見つからなければ、それでOK!

がんまでは見つからなかったけど、小さなポリープがあれば、それは検査中に同時に切除手術してもらえるからとっても楽だしお得な感じ!

 

なお、一度やった方は、次の検査は3年後くらいでよいと言われています。(これには個人差があり、ポリープの数とかできやすい体質とか、家族に大腸がんがいたとかで期間は変わりますが、あくまで一般的にはということでお含みおきください)

3年間、大腸の心配はとりあえずしなくていいんだ!というのは、安心材料としてすごく大きくないですか?

 

そして、万が一、がんがこの時見つかったとしても、ごく小さいものである可能性が高いですよね。小さくて浸潤も深くないものであれば、今のご時世、大腸内視鏡を使ってがんを切除する手術も盛んに実施されています。私のように、2週間も入院して外科的手術を受けなくても、がん切除が可能な時代なんですよ。どうせがんを切るなら、少しでもがんが小さいうちに、少しでも体に負担が少ない術式でやるほうが絶対に良くないですか?

 

ということで、私はおしりカメラを強く強くお勧めしたいのですよ。

 

なお、まだ40歳に達していない方は、身内の方に大腸がんの方がいない限り、まだ受けなくてよいそうです。40歳を過ぎた方は、ぜひ一度、受けてみていただきたいです。

 

※ただし、便潜血検査とは違い、事前の準備がハードですし(具体的な準備についてはこちらの記事をどうぞ)、体に負担はかかりますし、ごくごくまれに腸に穴が開いて出血してしまうなどの事例も発生するようですから、手放しにはお勧めできない面もあるにはありますが…。

がん検診のメリット・デメリットについては、こちらのサイトがわかりやすいです。

www.jcancer.jp

 

※しかも、大腸内視鏡検査は職人技である側面が大きいですから(なんせ大腸にはヒダヒダがたくさんあり、そのヒダの合間も含めてよくよく見ていかないとなりません)、内視鏡が上手な先生にお願いしたいところですね。そこはクチコミ検索するなり経験者にヒアリングするなりして、ご自身で探していくしかないですかね…。

 

ちなみに私の次のおしりカメラの予定は10月末です!目的は、手術でつなぎ合わせた部分がうまく接合されているかをカメラで見て確認するため。

 

そのあとは来年8月です。さすがに大腸がんをやった人は、次は3年後っていうわけにはいかないみたいです…。また下剤飲みがんばるぞ!

私もがんばるから、みんなもおしりカメラ、がんばろう!!

 

⇒次の記事はこちら。

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いわゆる「大腸がんの初期症状」とは

これはもう、みなさんでグーグル先生に聞いてもらえばすぐに出てくる情報ですが、ここでも一応まとめてみたいと思います。

 

なお、大腸がんは、がんの発生部位によって呼び方が細分化されていまして、

(なんせ大腸は1.5~2メートルもある長い臓器ですからね)

たとえば肛門に一番近いところが「直腸」と言い、そこに出来たがんは「直腸がん」となります。私はこれ。

 

そのほか、S状結腸、下行結腸…と部位によってそれぞれ名前がついていて、

ご参考までに、

大腸がん|がんに関する情報|がん研有明病院

によると、同病院で手術した大腸がん患者の部位別内訳は以下の図の通りで、私と同じ直腸がんが一番多いとのことです。

 

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さていよいよ本題ですが、

「直腸がん」の場合の初期症状としては、

 

・残便感がある

・便が細くなる

・血便(便に血が混じる)

・下血(肛門から出血する)

・便秘と下痢を繰り返す



というものが挙げられています。

大腸がん全体でみると、

 

・貧血

腹痛

・腹部膨満感(お腹が張っている)

・おう吐

・腸閉塞(便やガスが肛門までたどり着かず、腸管内に溜まり続けること)

・体重減少

 

といった症状が挙げられています。(いずれも、

大腸がん(結腸がん・直腸がん) 基礎知識:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

より)

 

この中で私が当てはまるな、と思えたのは

・残便感がある

・便が細くなる(そういえばね、という程度ですが…)

・血便(便に血が混じる)

の3つですかね。言われてみればね。

 

もともと大腸がんの初期症状なんて詳しく調べたことなかったし。せいぜい、血便、しかも結構しっかりと「血!」が出るようなイメージ程度しかなかったから、残便感なんて言葉も初めて聞いたし。便が細くなるってどういうこと?って、健康体の時には完全にスルーしていた情報ですよ…。

 

これらの初期症状をもともと知識として知っていたら、いざ現れた時に、

あ!これが残便感か!と、ピンと来てすぐに検査を受けに行ったかも知れないよね…。

知らないって怖いわ。

 

⇒次の記事はこちら。

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これが私の自覚症状

変化の兆しは、今年、2018年の年明けくらいから訪れていた。

トイレットペーパーに、正体不明の茶色いものがすこーし、つくようになっていた。

 

ただそれは、いわゆる「下血」とか「出血」というイメージのものじゃなくて。

どっちかというと、生理の時期じゃないのにちょこっと出血があるふうな、いわゆる女性が言うところの「不正出血」?的な感じのものだった。これはいったい、どの穴から出ている?的な(笑)

 

私はそれまで生理不順ではなかったし、不正出血もあまりなかったから、これは何か婦人科系の病気の疑いだろうか?なんか気持ち悪いな…くらいの感覚でいた。特に病院にかかることもなく。だって全然たいしたことないし。

 

そのうち、排便時のトイレットペーパーに、なんとなく赤っぽい粘膜?みたいなものがついている感じがあった。これも、明らかに血っていう感じではなくて、そうね、例えるなら生のトマトを切った時の種の周りのゼリー状な感じ。色も、薄赤くて。もちろん、痛みも全然ないから、痔ではないよね?ってことは容易にわかる。

 

それから、夕方に時々、便意をもよおすことがあった。私は基本的に朝型排便の人だから、そもそも夕方というのがおかしな話なのだ。そしてトイレに行くも、排便はない。でもなんかちょこっと出た?と思ってトイレットペーパーを見ると、そうね、例えるなら梅干しの端っこみたいな(笑)状態の赤茶色のものが、爪の先ほどの少量、ついているのだった。

これは明らかにお尻の穴から出ているのであった。

 

なんか気持ち悪いなぁ、と思いながら、例によって痛くもかゆくもないし、お腹が張るとか膨れるとかもないので、すぐに受診するわけもなく。

 

いや本当は、このあたりでおしりカメラをすぐに受けるべきなんですよ、みなさん!!

 

なお2月の初めごろに、私は一度、おしりカメラを受けたクリニックを受診していた。それは、前の年にやったピロリ菌除去の結果を聞くために…。

ピロリ菌とは無事にサヨナラ出来ていて、ひとまずめでたしめでたし、だった。

先生に、「何かほかに気になることはないですか?」と聞かれ、

先に述べたような症状があることを告げた。すると、

 

「心配なことがあるなら、大腸内視鏡やったほうがいいですよ。何か出ているということは、体の中で何かが起こっているということだから。内視鏡でそれが見えるんだから、何が起こっているか調べたほうがいいですよ」

 

…と、至極まっとうなアドバイスを下さった。

ただ、トーンとしては、

「そんな症状があるなら大変!すぐに検査してください!」

というものではなく、あくまで自己判断で、受けてみるといいですよというニュアンス。

 

この時わたしはまだ油断していて、

どうせ新年度、4月に入ったら会社の健康診断を受けるわけだし、その時に何かあればわかるでしょ、それからでもいっか!と思っちゃったんですね…。

 

あの2月の時点ですぐにおしりカメラをやっていたら。

もっと私のがんのサイズは小さかっただろうし。

そうしたらもっと手術もシンプルなもので済んだかもしれない。

今となっては後悔しきり、である。

 

さて時は過ぎて5月。会社の健康診断の時が来た。

4月以降、適当な検査日を総務部が予約してくれて、私はたまたま5月の末に割り当てられた。これがもし、もっと遅いタイミングを割り当てられていたら、さらに発見が遅れていたね…。

 

検査にあたり、二日分の便を提出する。便の表面を採取棒でまんべんなくこすり、専用の容器に入れる。いつからか二日分の提出になっているのね。昔々は一日分だった気がする。

この方法で、目に見えない血液も調べることができるそうで。「便潜血検査」、まさに、「便に潜む血を調べる」検査というわけである。

 

ま、私の場合、この頃には、便をよくよく見ると表面に薄赤い筋みたいなのがついていたんですけどね。これこそまさに、便ががんの近くを通るときにがんを刺激してわずかに出血した、その血だったわけですけどね…。

 

さてその後、1か月して待望の検査結果が会社の私のデスクに届いた。待望の、というのも変な話だけど、私の中ではすでに何らかの覚悟みたいなものがあったのは事実。検査結果で要精密検査が出て、そしてまたあのクリニックにおしりカメラをやってもらいに行くのだ。そんなシナリオが、頭の中に出来上がっていた。虫の知らせ的な何かかな?

 

これが、6月28日の話。

 

ここからのことは、以下の記事にて詳しく書いております。

 

calorina.hatenablog.com

 

かいつまんでスケジュール面のことだけ言うと、

5月29日:健康診断実施日

6月21日:要精密検査という結果を得てすぐにクリニックに予約の電話

6月26日:クリニックに問診に行く(いきなり検査予約は出来ません。必ず事前の受診が必要!)

7月20日大腸内視鏡検査を受ける

7月28日:がん確定と言われた(細胞の病理検査の結果が出た)

 

最初に異変を感じたのが年明け、1月だから、それから半年以上経っての検査となったわけだ。

 

大腸がんは、がんの中でも比較的おだやかで、進行が早いものではないと言われているけれど、一応わたしまだ46歳だし。若いと進行が早いというし。半年もあれば結構がんも育っちゃったかなと思うし…。(実際には痛くもかゆくもないので、がんの発育状況は知る由もないのだけれど)

 

と、まあ、このように半年くらいはすぐに経過してしまうものなので、

万が一、いまこれを読んでいる方の中に、ちょっとでもおかしな「これって出血?」的なものが見られる方はすぐにおしりカメラの予約を!

 

というか、その前に、おしり拭いたらトイレットペーパーをまず見ること!

すぐにウォシュレットできれいにしちゃったらダメですよー。

食べ物の最終ランナーの行く末を、ぜひとも見届けてあげてください。そこにサインがあるんですから。

せっかくサイン出してくれてても、見なければ意味なし、ですよ。

 

⇒次の記事はこちら。

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早期発見ができれば、がんは治るとみんな知っているはずなのに

前回アップした「胃がんを抜いて、日本人のがん患者数トップとなった大腸がん」という記事、たまたま、はてなブログの「おすすめ」で紹介していただいたらしく、知らない間に多くの方に読んでいただけたようです。アクセス解析を見ると、今まで見たことのない数字で驚きました。通りすがりでたどり着いてくださった読者の方々!読んでくださってありがとうございます。

 

ところで、

私がこのブログで書きたいネタは多岐にわたりすぎていて、いざ、今日は記事書こう!と思ってパソコンを前にしても、さて…何から書こう?となってしまって。最近、思うように筆が進みませんで。

 

でも、今回多くの方に読んでいただけたことで、思い起こしました。私がまず、皆さんにお伝えしたいことは何だろう?ってことを。そうだそうだ、このブログの根っこには、それがあったはずだ!と。

 

何よりお伝えしたいことは、

 

「がんの早期発見」

 

そうするために、まずは

 

「一人一人が自分の身体の声に真摯に耳を傾けることで、自分で、自分の中のがんの存在に気づいてあげること」

 

このことが大事なんだよ!ってことを、お伝えしたかったんだった!

だって、がんは、初期の段階で発見できれば治る病気なんですから!

 

そのことを、みんなが知っている。私だってもちろん、知っていた。

それでも、自分の身体の変化を、見て見ぬふりをしてやりすごす日常のなんと多いことか…

いかに、先延ばしにする日常の多いことか…

 

私もね、あと1年早ければ、もっと楽にがんを退治することが出来たと思うのよ。

実は私も、変化に気づきながら、先延ばしにしていたんです。

 

私の場合の「大腸がんの初期症状」は、梅干しか?トマトの種の周りか?

そんな感じだったんですよ。まさかそんなのが、がんの兆候だなんて。思わないし、思いたくもないし。そんな感じでした。

 

⇒次の記事はこちら。

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胃がんを抜いて、日本人のがん患者数トップとなった大腸がん

イムリーなことに、9月15日に国立がん研究センターから、最新がん統計が発表された。2016年にがんで死亡した人の数、そして2014年に新たにがんと診断された患者の数などが発表された。(ええと、今年は2018年なので、統計最新といえども4年前の数字なのですね…)

 

ganjoho.jp

 

それによると、2014年に新たにがんと診断された患者数は、前年から1万8578人増加したそうだ。男性が約50万人、女性が約37万人。がんにかかるのは男性のほうが多いのね。

 

そして衝撃だったのが、私がかかった大腸がんが、部位別患者数の男女全体において、胃がん(約12万6千人)を抜いて初めて最多になった(約13万4千人)!ということ。

 

1.大腸がん

2.胃がん

3.肺がん

4.乳がん

5.前立腺がん

 

が男女全体の患者数トップ5である。

 

ちなみに女性のみを見ると、

1.乳がん 約7万6千人

2.大腸がん 約5万7千人

3.胃がん 約3万9千人

 

ちなみに男性は、

1.胃がん 約8万6千人

2.肺がん 約7万6千人

3.大腸がん 同

 

となっている。

 

絵で見るともっとわかりやすいので、がん研究振興財団の資料「がんの統計’17」から拝借しますと…

(こちらは予測がん死亡数と予測がん罹患数、2017年のもの)

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私も、女性ががんになると言えば、乳がんというイメージが強かった。でも意外と大腸がんが2位だし、さらにさらに、部位別がん死亡数で見ると(上の図)、大腸が女性のトップなんですけど…。

 

ということは、大腸がんって、時代のトレンドね?

私ってば、時代の最先端を行ってるのね?

…全然嬉しくないトレンドですが。

 

ところで、なぜ胃がんを抜いて大腸がんが全体患者数トップになったのか、ということの理由としては

 

胃がんの原因となるピロリ菌(汚染された水、田舎の井戸水など?から感染すると言われている)の感染者が、戦後、衛生状態の改善によって減ったため

 

ということが挙げられていた。

なるほど…。胃がんが減ったことで、大腸が多くなったというわけですな。

 

それともう一つ、よく言われていることとして、

 

・日本人の食生活が欧米化したこと

・日本人の高齢化が進んだこと

 

この2点が、大腸がん増加の要因とされている。

大腸がんは「生活習慣病」と言い切る先生もいらっしゃる。

 

http://www.jsge.or.jp/citizen/2006/kantou2006.html

 

生活習慣病ですか。

 

なんかあまり言われて嬉しくないフレーズ。がんになった自分の、これまでの生活習慣が真っ向から否定されている、みたいな。そんなネガティブな気持ち満載にさせてくれるフレーズである。

 

しかし自分にも、思い当たる節がないでもない。だからこそ、いやーな感じがするのである…。

 

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はじめに:このブログを書く理由

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お世話になった病院


気が付くと、寝室にエアコンをつけずに眠れるほど、涼しい夜になっていた。

そうか、もう9月かぁ。

 

いつの間にか2018年の夏が終わったんだね・・・

 

この夏は私にとって、

そして私の家族にとっても、忘れられない夏になった。

 

誰よりも元気でパワフルで、よく食べ良く飲み、健康第一がモットーだった46歳の私が、ある日突然、「患者」になった。病名は「直腸癌」。ちょくちょう、がん。

 

がん、という言葉を医師から聞いた時のことは、もやっとしていてあまりハッキリ覚えていないのだけれども、ががががーん・・・っていう感じではなかったことは、確かだ。

 

そうか。そう来たか。

そうなんだ、わたし、がんなんだ。

 

自分でも意外と冷静に、その事実を受け止めた。というか、無理して受け止めようとしていたのかも知れない。その時は。

 

だけどだんだん、気持ちはざわついてくる。

いくらがんは治る時代と言われても、がん、ですよ。その言葉のインパクトは大きい。

時間が過ぎるにつれ、いろんなことが

 

夫は単身赴任で仙台にいる。高2の息子と中1の息子と、3人で横浜に暮らしている私。

平日はフルタイムで会社勤めをしている。

これから秋にかけて担当業務が目白押しである。

 

仕事はどうしよう?

入院中の子供たちはどうしよう?

それより、またこの家に帰ってこれるのかな?

私のがんは、治るのかな・・・?

 

そんな思いとともに始まった2018年の7月。

8月半ばに入院して手術して、退院していま9月。自宅に無事に帰ってこれた。

そのことにまず感謝したい。戻って来られて本当に良かった。

 

戻って来られたことは来られたけど、わたしのカラダは以前とは違う。大切な臓器の一部が切り取られてしまったから。これは想像以上に大きな変化であった。

 

直腸は失ったけれど、がんになって私が得たものは大きいし、後悔も何もない(後悔しても仕方ない。だってこれが現実だしね)。

ただ、世に大勢いるであろう「がん予備軍」の皆さんには、できるならがんにならないで過ごしてほしい、と心から思う。がんってやっぱり、結構かなり、シンドイからね。一度がんになると、結構いろんなことが制限されますからね・・・。

 

だから、このブログを書くことにしました。

私の体験や思いを赤裸々に綴ることで、もしかしたら誰かのお役に立つことがあるかも知れないから。こういうがんもあるんだ、ってことを知り、それが誰にも起こりうるんだってことに気づいてもらえたら。そして出来る限りの予防をしていただけたら。私が書く意味もあるってものです。

 

不定期の更新になると思いますが、どうぞよろしくお付き合いくださいませ。

 

(ブログ名について:わたし、織田裕二さんのファンでした。東京ラブストーリーの時代に東京で女子大生してました。永尾完治と赤名リカのストーリーにどきどきしてた世代です。がんが完治するということは極めて難しいことですけれど、カーンチ♪目指して私の身体には頑張ってもらわないと!という思いを込めて・・・)

 

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入院12日目:術後8日目 がんの先輩、鳥越俊太郎さんの声と、石弘光さんの本に出会って・入院13日目:術後9日目 証明書を依頼しそびれる&義父母に、そしてコメント励ましにありがとう

入院12日目:術後8日目

 

2018年8月28日(火)

 

やはり夜中にトイレに2回起きてしまうのは仕方ないのか…。と、もはやあきらめの日々。

今朝は5時10分に目覚めたので、日の出に間に合う!と思って窓辺に行ったら曇っていた。

ここにきて、太陽の見えない朝は初めてだ。これまでずっと、明るい朝だったのだなぁ。いや、確か手術当日は雨だった記憶がある。さて、どうだっけか。

 

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久しぶりにラジコを聞いていたら、どこのFMだったかわからないけれど、鳥越俊太郎さんの声が聞こえてきた。がんの大先輩の、鳥越さんである。

 

ここだけの話、私は数年前に鳥越さんのご自宅にてインタビュー取材をしたことがある。その時は、孫の話を書いた本を出されたばかりで、そのことがメインだったのだけれど、がんで何度も入院したけれどこんなに元気!というお話もされていて、驚いたことを思い出す。ジムに通い、食生活をとことん改善し、すこぶる調子がいいと話されていた。まさかその後、自分もおなじがんになるとはなぁ。そしていま、ものすごく久しぶりに鳥越さんのお元気そうな声を病院で聞くことになろうとはなぁ…。

 

そういえば昨日あたりから、痰がほとんど気にならなくなった。手術後、麻酔の管を喉から入れていたせい?で、気管がダメージを受け?痰がずっとからんでいて不快この上なかったのだ。痰は飲みこまず、なるべく出しなさいと言われるも、お腹に力を入れると傷口が痛いし~。話もしずらいし~。で、嫌な存在だった痰が、消えてくれた。ようやく。これはかなり楽である。

 

傷の痛みもほとんどない。術後1週間ってすごい!

 

あとは、婦長さん、いや、師長さんに退院OKをいただくだけだ。お向かいのベッドのHさんは明日退院、奥のベッドに入ったばかりのKさんは今朝、娘さん夫婦ともに手術室へ向かった。見送り、見送られ、次々に患者さんのリレーは続いている。

 

10時、師長さんが来て、ついに退院日が確定した!わたしの希望通り、8月最後の日、31日の10時に部屋を出るように支度してくださいね、とのこと。良かった。退院日には、私一人の予定ではなく、迎えに来る夫の都合なども関連するからね。希望通りで本当に良かった…。

 

お昼過ぎ、はじめてコインランドリーを使ってみた。洗い100円、乾かし200円と安い。たまった下着とパジャマ、それにタオルを洗ってみた。今週は家族はもう来ないから、着替えが届くあてもない。だからコインランドリーはありがたい存在だ。

 

今日は、1Fインフォメーションコーナーから借りてきた新書「癌を追って」石弘光著を読了。

 

石さんは、経済学者で、一橋大学の学長も務められた方。お父様が前立腺がんだったことから癌のことを調べはじめ、そのうちご自身も同じがんにかかり、家族目線・患者目線で体験談を綴った。この癌研有明病院で手術を受けたことから、病院の様子なども細かく書かれているので私にはとても身近でリアルで興味深い内容。最上階のVIPルームのこともよくわかる(笑)

 

さて石さんは今どうされているのだろう…と、すぐにググってみたら。

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なななんと、ニュースで報じられいた…すい臓がんで8/25に死去されたと。まさかそういうこととはつゆ知らず、何というタイミングで私は石さんを知ったのだろう。なんなんだろう、このタイミングは…。すい臓はここ有明ではなく、東京医科歯科大で治療されたらしいけれど。せっかくだから、生きているうちにお話聞いてみたかったな。ご冥福をお祈りするしかない。

 

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入院13日目:術後9日目

 

2018年8月29日(水)

 

午前中、1階3番窓口に出向いた。保険請求のための証明書を依頼するためだ。

すると、同一病棟で同一科で手術・入院する場合は、複数の手術・治療を1枚の証明書にまとめて書いていただけるとのこと。そのほうが経済的ですよ、とのこと。

 

そうなの、証明書って1通書いてもらうごとに1万円くらいかかるのですよ…。安くないんですよ…。

私の場合、このあと、ストーマ閉鎖手術を控えているから、それを終えた時点で今回のと2回分まとめて手術証明書を出してもらうのがベストなのだ。なるほど。勉強になります。

 

ストーマと言えば、今日は看護師さんから、今後の自宅でのケアについての話があった。交換用のパウチ(袋)は、専門の代理店と直接やりとりして購入するとか。外出時は積極的にオストメイト用のトイレを使ってよい、とか。まだ若いほうだから、だれでもトイレを使うことは気が引けるかもしれないですけど…と言われ、そうか、やはり46歳は若いほうなのねと再認識。ストーマ生活に関しては、いろいろと面倒くさそうだなぁ、というのが正直な印象。まぁ、仕方ないのですが。

 

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お昼を食べて(8割ほど食べた)、シャワーを浴びてさっぱりしたころ、義理の両親が来てくれた。この二人が病院に来るのも今日が最後。ほんとうにお世話になりっぱなし。北海道の母が帰ってからは、この二人に我が家に寝泊まりしてもらって息子たちの食事のお世話などをしてもらっているのだ。二人とも70過ぎだけど元気で、こうして快くサポートしてくれているから、私は安心してこころゆくまで入院・休養できていますよ。感謝してもしきれません…。

 

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二人を12階と5階のテラスまで案内し、最後は1階のタリーズでお茶をした。私は持参したポカリを飲んでいた。このところ、朝いちばんの尿の出が今一つなんだけれど、それは寝ているときに脱水気味になっているからだそう。もっと水分を取らないと、ということで日中は積極的に飲んでいます。

 

FBやブログへのコメントがたくさん寄せられて、みんなの励ましが本当に嬉しく、ありがたい。わたしはどちらかというと、人を励ます側でいままで生きてきたつもりだけれど、今回は逆で、励まされっぱなし。お世話してもらいっぱなしだ。これは本来の私らしくない感じがして、どうも居心地が悪いかんじがするのだけれど、嬉しいことには変わりない。私のことを心配し、案じ、無事を祈ってくれる仲間の存在は、どれだけ私にパワーを授けてくれるか。本当にね、すごいパワーをいただいているよ。これは入院してみるまでわからなかったなぁ。会って直接言葉をかけてもらうことも、会わなくても、遠くにいても、文字で言葉をかけてくれることも。どちらも同じくらい、私に元気をくれています。ありがとう。

 

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入院11日目:術後7日目 誰も来ない月曜日、ブログを書いてNetlfixを見た

2018年8月27日(月)

 

夜中、23時、2時半、4時にトイレに起きた。眠れているつもりだけど、結構起きているなぁ。一晩まるまる眠りたいなぁ。

 

5時半に朝陽を見に窓辺に行ったら、うーん、もうずいぶん日が高い…。もっと早く起きないと、「日の出」には出会えない。

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さて、今朝の楽しみは、Google Mapでこの目の前に広がるパノラマの風景と、地図を照らし合わせてみること。これまで漠然と眺めていた有明の建物の名前を、地図によって知ることが出来る。

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下水道博物館とか、パナソニックの見学が出来る施設とか。ドームという名前の企業があることも知った。アンダーアーマーなどを扱っているんだな、とか、CEOが私と同世代なんだな、とか。地図から企業のサイトに飛び、いろいろと調べるのが楽しい。

 

やっと周りに目が向いてきた、ということかな。自分の身体が少しずつ本調子に戻ってくると、本来のわたしの持つ好奇心気質が現れるということね。これまでは、そんな余裕はなかったというのかな。不思議と今日は、そんな調べものをしたくなったのだ。

 

ランチはうどんだった。麺類は久しぶりで美味しい♪

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午後は1Fタリーズにてブログを書いた。1週間ぶりのブログ執筆。

いま私が何をしているか、プチカミングアウトしてみた。がんサバイバー、と名乗ってみた。

calorina.hatenablog.com

 

今日は誰も病院に来ない日。こんな日は、入院してから初めてだ。

だから時間がたっぷりある。本を読んだり、タブレットNetflixを見たりした。見る映画は、がんの話ばかり。楽しい映画でも見ればいいものを(笑)

 

”がん”を恐れず生きる

https://www.netflix.com/title/80126485

 

アメリカのドキュメンタリー映画

David.S シュレベール

Meagan O'hara

 

がんについて、患者の気持ち、予防医療のこと、啓蒙活動のこと、いろいろと考えさせられる良作品だった。私はもう”がん”だから、この映画で語られることすべてがダイレクトにわたしに響く。

きっと、まだ”がん”でない人とは、見方が違うかもな…などと思いながら、ベッドで一人で見ていた。見て辛くなったり悲しくなったりは、しない。現実に自分に起きていることと、映画の中で起こっていることと、割と冷静に対比したり共感したりしつつ、見ていた。

 

そういえば今日は、悲しいニュースが一つあった。

ちびまる子ちゃんの作者、さくらももこさんが乳がんで亡くなったと。53歳。

稲光が激しい夏の夜だった。

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